(ぬ)乙女ゲーム感想保管庫。

乙女ゲームの感想日記。

エフェメラル -FANTASY ON DARK-個別感想


あらすじ

オオカミ男、ミイラ、吸血鬼など様々な種族が存在する世界。この世界では種族によって階級制度が存在する。最上位種がマーメイド>吸血鬼>悪魔…etc
階級が下の種族は階級が上の種族の命令には本能的に従ってしまうという掟があり、本作はそんな階級制が敷かれた世界観のもと、表向き「階級差別は禁止」とされている様々な種族が通うエリート学校が舞台となる。
ヒロイン・クロエはその種族階級の中でも最下層種族、ゾンビにあたる。ゾンビは若い間のみ最上位種のマーメイドにも劣らぬ絶世の美貌を持つことが出来るが、老いとともに肉が腐り落ち、やがて骨と皮のみが残る醜い姿に変化するといった運命をもつ種族。多くのものがその老いに恐れを抱き、若いうちに命を自ら経ってしまう者が後を絶たないという。また、ゾンビは周囲に感染する恐れがあり、ゾンビの種族だけは街を隔離され、外に出してもらえない決まりがある。
そんな決まりのもと、クロエも他のゾンビと同じく街から外に出してもらえず、外の世界に憧れを抱いていた。ゾンビの感染は薬を毎日飲むことにより予防できるというのに、何故外に出してもらえないのだろう、もっと多くの事を知りたいのに。そんな不満を抱く彼女のもとに一通の手紙が届く。それは様々な種族が通い勉学に励む、優秀な生徒のみが入学できるエリート学校の入学案内状だった。意気揚々と学校へ入学するクロエ。しかし最下層種のゾンビが入学するのは前代未聞。様々な種族が生息するこの学園は危険がいっぱい。ゾンビは再生能力も低い種族の為、不安要素が多い。そこで学園生活を安全に過ごせるよう、教員側からサポート役として生徒を付けてくれるという。そのサポート役の生徒が攻略対象達になります。



シバ

オオカミ男
明るくて面倒みもよく、常にクラスの中心にいる。面白い事がすきで、大の悪戯好き。かっこよく見せようと気取っているが、周囲にはそう思われていない。


明るくて人懐っこく、クラスのムードメーカーなシバは入学早々ゾンビという事であまり歓迎されず、陰口を囁かれるクロエの事を助けてくれる優しい奴です。サポート役についても、ゾンビの生態をあまり知らないからという理由で戸惑いはしつつも、受け入れて世話を焼いてくれます。ゾンビの街に隔離されて育ったが故に世間知らずなクロエに対して、きちんと危険で危ない場所には近づくなと注意してくれる様子に、シバは優しい人だなと感じるクロエ。「シバは優しい人だね」と思った事を正直に伝えてくるクロエに、シバは困惑します。オオカミ男とゾンビではオオカミ男の方が階級が上になるのですが、階級が上のものに対して媚びへつらうでもなく、物怖じせず素直に言葉を告げてくるクロエに対して変な奴って思うんですよね。"優しい人"と"変な奴”そんな印象がお互いの第一印象でした。
ここからの距離の縮まり方なんですが、これがまぁ面白くって!ニヤニヤときゅんきゅんが止まりませんでしたねwシバはオオカミ男なんですが、オオカミ男は満月の夜には獣化してしまい、人間としての理性を失って本能のままに行動をするようになるという特性を持っているんです。獣化した時はとにかく危険で、生物を噛み殺す事だけに飢えた存在になるため、学園では満月の夜の間だけ、学園内にある森で過ごす事が決められてます。この世界の満月は3日間くらい続くという不思議なものなんですが、シバも満月の3日間は森で過ごすので、クロエには絶対危険だから、満月の夜は森には近づくなと注意するんです。
が、しかし。クロエちゃんわりかしいう事きかないというか、まぁ話の進行上仕方ないんですが、お約束といわんばかりに満月の夜に森に近づいちゃうんですよね。そこで獣化したシバと出会ってしまうんですが、これが結構予想外な展開で笑いましたw意外なシバの真実。そしてそこから勘違いしたクロエちゃんのおかげでまぁとてもニヤニヤ展開ばかり起こっていくんですが。ここら辺のシバの反応がずっと可愛くってニヤニヤして仕方なかったです。全く気付かず振り回すクロエちゃん(悪気なし)とひたすら照れまくるシバ。凄い面白かったですね!思わぬすれ違いのおかげで一気にクロエちゃんとシバの距離は縮まっていくことになってゆき――。
とまぁそんな感じで馴れ初めを描いた恋愛編は、オオカミ男って設定をうまく使ったシチュばかりで凄く楽しかったですね!途中でちょっとした喧嘩やきゅん展開挟みつつちゃんと両想いになるので恋愛過程も楽しかったです!そしてここから恋人になったあとを描く恋人編なんですが、これも予想よりずっと楽しくってですね。恋人になったからって変に糖度が上がり過ぎるわけでもなく、楽しく明るくニヤニヤきゅんきゅんできるシナリオが沢山あって恋人編も凄く楽しかったです。恋人になったあとのシバはもう、ひたすらクロエちゃん大好きなやんちゃで口の悪いお馬鹿わんこちゃん(オオカミ)って感じで、ずっと残念可愛いって感じでしたね。
でもそんな感じで一途にクロエちゃん大好き大好き!ってシバだったのが最後の方のシナリオでまさかクロエちゃんをフる展開が待ってると思わず、ときめいてしまいました。この展開楽しかったですね!ヒロインを傷つけて後悔して謝り倒す展開大好きです。ということで、シバ自身凄く可愛かったし、シチュがいちいちツボで面白かったです!ニヤニヤ沢山出来てよかった!



レイ

吸血鬼
階級の高い種族に誇りを持っている。傲慢な性格で、何より美しいものに目がなく、見目麗しい者を選び吸血している。


吸血鬼はマーメイドの次に階級の高い種族になります。美しいものをとにかく好み、美しいものであるならそれが生物だろうがホルマリン漬けにして観賞用に飾るなどする非道な価値観が当たり前にある種族です。位の高い階級故、大体のものが貴族の産まれになります。寿命も長く、ゾンビの平均寿命が200歳だとすれば、吸血鬼はその8倍近く生きるとされています。レイも例に洩れず、貴族で綺麗なものを好ましく思う吸血鬼です。性格は傲慢で非道な俺様。汚いものには素手で触れようとも思わないため、常に手袋を装着してるほど。自分に群がってくる女性は全て餌や道具にしか思っておらず、自分にとって利用価値があるかないかで判断し、利用価値がないのであれば話すら聞かない男です。逆に利用価値があれば傍に置き、それが見目麗しい女性であるならば、必要の際に餌として吸血する。自分の吸血欲求を満たすのであれば、身体の関係も許す女性関係も激しい人。
そんな彼をパートナーに選んだクロエですが、レイは最初クロエに「自分のものになれ」と命令し、傍に置こうとします。レイはクロエの見た目が好みだったんです。階級は最下層のゾンビですが、見た目が綺麗なので観賞用に傍に置き、血を啜る道具として利用しようと考えました。しかしゾンビは血の巡りが悪く、新鮮な血がめぐっているとはいえません。つまり凄くまずい血なのです。レイは早々にクロエに吸血をしますが、あまりにまずい血に突き放し、怒ります。そしてどんなに美しかろうが血がまずけりゃ利用価値もないとクロエを無視するようになります。折角パートナーになり仲良くしていきたいと思っていたのに、理不尽に突き放されたクロエ。彼女は諦めずレイと仲良くなりたいと何度も話しかけますが、相手をしてくれる様子がありません。それでも押せ押せと言わんばかりにレイと交流をもとうとするクロエ。しかし自分を理不尽に振り回し、無視し、たまに喋れば酷い罵声を浴びせるレイの態度に傷つき、クロエは耐えきれずに泣きだしてしまいます。そんなクロエの泣き顔を見て好ましいと思うレイ。レイはどこまでもクロエの見た目が好きなんです。階級も気にせず、媚びるわけでもなく、素直にぶつかってくるクロエの様子を見ているのも悪くないと感じたレイは、一度は血がまずいのでいらないものと捨てようとしましたが、やはり自分のものとして傍においておこうと考えなおしました。自分の周りには自分の権力や地位に目が眩んで群がってくるものばかりで、なんの裏表もなく素直に感情をむけてくるクロエの存在が珍しかったんです。なによりその美しい容姿が好き。「クロエが美しいものである限りお前は俺のものにする」「美しい姿のままでいる努力をしろ」そんな風にクロエに言いながら彼はクロエを特別扱いするようになるんです。そしてクロエもそんな「物扱い」に傷つきながらも、彼から優しくされる喜びや、特別扱いへの優越感を覚え彼に惹かれていくようになります。
そもそもクロエはゾンビの中でも綺麗なゾンビなのですが、彼女を育ててくれた祖母は彼女の容姿を決して褒める事はありませんでした。周囲のゾンビは綺麗だ可愛いと褒められてる中、彼女だけはそういう称賛をあびることなく育ったのです。その為、彼女は自分の容姿が綺麗という自覚もなく、「綺麗でもなんでもない自分の容姿を”綺麗だ”とレイは褒めてくれる」そんな言葉が嬉しかったっていうのもあるんでしょうね。クロエはレイが唯一褒めてくれる容姿を大切に想い出すようになります。レイのいうとおり「綺麗なままでいる努力をしよう」と。そうでなければレイの傍にはいれないんだと。
もうここからの展開がずっと健気で切なくてですね。レイの周りにはレイが好んで傍においている美しい女性がいますし、レイもそんな彼女らの血を啜ります。クロエが見ているのに気付いてようが平気で他の女に密着して吸血するんです。クロエは血もまずけりゃ、見た目もいずれ腐るゾンビ。勝ち目がない、それでも顔が綺麗だからレイは自分を特別だって扱ってくれる。レイを他のこに取られたくない。でも。と、そんな感じで思い悩むクロエがいじらしくって健気で可愛かったですね。レイもレイで酷い奴なんですが、ちゃんとクロエを想っているのでね。なんというか愛情表現が分かりにくいんですが。
そんなかんじで恋愛編はクロエの片想いを強く描写しつつ、非常に楽しいものになっていました。いじらしい展開に沢山ときめきましたしね。そしてここから無事成就したあとの恋人編ですが、恋人編では最高位階級にあたるマーメイドの転入生、美しい見た目のオリヴィエが入ってくることで一波乱あります。恋人になってからのレイってのはもうとにかく男前って感じで、むしろクロエがずっと不安や劣等感で泣くのをずっとずっと慰めていた印象が強かったですね。恋人編にはいってからのクロエってほんとずっと泣いてるんですよwもう簡単なことでもレイに嫌われる、捨てられるって。不安ばかりあって。まぁでも確かにこの二人ってくっつくまでに色々ありましたし、「身分違いの恋」「寿命の違い」「階級の差」「種族の相性の悪さ」本当に色んな不安要素沢山持っているんですよね。ましてや本人たちが愛しあってようが周りは許さないし。だから常にクロエが不安と劣等感で苛まれるのも仕方ないのかなぁと。そうやって嫌わないでと泣き縋るクロエに対してほんと誠心誠意、全てを差し出して彼女の不安をぬぐい去ってあげてたのが恋人編のレイです。恋愛編のレイが酷い男だったので驚きの変化ですね。泣き縋られるたび焦っていたレイが好きです。
恋人編のハッピーEDは決して綺麗な終わりとはいえないというか。人によってはハッピーなのか?って捉える部分もあるというか。ハッピーではありますがどこか悲壮感や罪悪感が残るEDなんですよね。まぁ人外×人外の恋愛。倫理観が少しずれたダークな苦味があるハッピーEDで個人的にはいいなと思いました。



ナギ

透明人間
勉強が得意で、誰よりも優しい男の子。性格は大人しく控えめで、可愛い見た目に反し、ふとした瞬間に見せる影のある表情が特徴的。


ナギは人当たり良く温厚で優しい男の子です。最下層階級のクロエに対しても最初っから親切で、何かと世話を焼いてくれます。そんなナギ相手なので、クロエも最初っからナギに好感を抱いてます。が、踏み込もうとすれば静かに距離をとられるというか。あまり踏み込んでほしくないという、壁を時々感じるんですよね。それ以外にもナギは何処か自分の事を蔑ろにしがちというか。
ナギは透明人間です。透明人間はゾンビと同じく階級の低い種族で、ナギも学園内では階級差別でちょっとした嫌がらせを受けています。しかしそれに対して反撃するでもなく、嫌がらせを受け入れているんですよね。変に波風立てないように、反感を買って誰かから嫌われたりしないように、誰からも好かれるように、そんな風にナギは自分への嫌がらせを受け止めています。そんなナギを心配してなんで言い返さないのかときくクロエ。彼女の問いに自分は嫌がらせを受けようが仕方ないからと返すナギ。何やら訳アリな様子なのがわかります。ナギの抱えているものというのは透明人間の特性が大きく関わっているんですが、これが凄く可哀想というか、悲しい特性で。未来がないというか、救いがないというか。こういう人外もので透明人間が扱われてるのって珍しくって、設定が新鮮で面白かったですね。
とにかく、その特性がゆえに未来に希望が持てず、ナギ自身「自分に生きる価値はない」と考えているんですよね。まぁそれ以前に透明人間はネガティブ思考になりやすい特性もあるんですが。
そんな感じでナギの不安定さや悲しみを知っていくクロエ。そんな彼を支えたい、彼の孤独を救いたいと手を差し伸べます。ここでクロエがナギにかけてあげる言葉がよくってですね、ナギが彼女に救われているのがよく分かるんですよね。このルート、カウンセリング恋愛の王道感あってよかったですね。クロエがナギにとってどれだけ大切な相手なのかよく分かります。恋愛編はそんな感じで結ばれつつ、一応学園というか、何故ゾンビであるクロエがエリート学校に入学できたのかという謎も解けますね。またこの恋愛編で描かれる最後のシナリオがよくってですね。おもわずウルっときました。切ない。忍ぶ愛というか、究極の純愛を感じました。
恋人編では仲陸ましい二人に終始ニコニコする展開ですね!多少色々ありますが、それでもお互いが大切な二人によかったね~って気持ちになります。また優等生で優しいナギ以外に、口が悪く素行不良なオラオラしたナギとかも見れて面白かったです。でも口が悪いナギも勿論ときめきましたが、個人的にはかくれんぼして、クロエに見つけてもらえた時の落ち着いた声の「見つかっちゃった」や、最後の「キスして」とせがむドールに対して「嫌だよ」って侮蔑と嫌悪感丸出しの声とかが結構萌えました。すき。
しかし、恋人編は基本穏やかで優しいシナリオなんですが、終盤唐突に不穏な展開へと急カーブしていきます。もうほんと急に。そして迎えるハッピーEDなんですが、、。何故!どうして!こうなったの!って思わずにはいられないというか。可哀想な終わりというか。勿論ハッピーではありますが、手放しな幸せじゃないんですよね。苦味が強くって。でも恋愛編でみたのとは別の形の「忍ぶ愛」なんですよね。これも透明人間のいく末なのかもなと。恋愛編でクロエに認識してもらえることで存在価値を見出したナギなので、恋人編のハッピーではあの選択をしてもおかしくないんだろうなと。BADは恋愛編のナギを完全に否定する形になってしまいますもんね。
ハッピーもBADもかなり苦味の強いシナリオではありましたが、それゆえに感じる深い深い純愛みたいなものを感じて、切ないけど素敵な話だったなと。面白かったです。


ナツメ

ミイラ
クールな態度で周りとは一線を引いて接しているが、とても目立った存在。階級の低いミイラだが、立ち振る舞いに品がある不思議な人物。


面倒くさがりで誰かと深く関わろうとしないナツメ。授業もさぼりの常習犯で、教師から注意されようが気にしたそぶりも見せない。学園内の階級差別に置いてもミイラという下層階級にながら依然とした態度をしており、物怖じしない。むしろ吸血鬼という上位階級のレイ相手に馬鹿にするような皮肉った態度や言葉を投げるときがある。
そんな彼をパートナーに選んだクロエ。クロエがナツメを選んだ理由というのは特にないのですが、しいて言えばナツメの瞳が綺麗で、どこか寂しさや悲しみの陰りが見えて放っておけなかった、無意識に惹かれたというのが理由でした。どうしてそんな風に感じるのか、クロエ自身もわかってはいませんでしたが、それでも彼と仲良くなりたいと思ったのです。その為パートナーにナツメを選んだんですが、ナツメは選ばれた事に嫌悪感を丸出しでとにかくクロエちゃんを拒絶します。ナツメは凄く皮肉屋で毒舌な男です。仲良くなりたいと近づくクロエちゃんにも容赦なく「一緒にいる事も嫌なくらい君の事が大嫌い」「虫唾が走るレベルで君の事嫌い」「まず顔が嫌い」など言い放ち冷たく突き放します。
またミイラは包帯の下は皮膚が爛れ醜く、他者が見たら気絶してしまうレベルのおぞましい姿をしているといわれてますが、ナツメは包帯で隠されているところ以外から見える顔はとても綺麗で、その事に気付いたクロエが手をナツメに伸ばせば、その手は容赦なく叩き落とされます。ほんと序盤のナツメはクロエちゃんに対し厳しいです。あまりにも厳しすぎてクロエちゃんが泣きだすレベルで。しかし泣いたクロエちゃんに対し、わかりにくくも遠回しに慰めたりなど優しさを感じるときもあり、嫌われてる、迷惑になってると分かりつつ彼と仲良くなりたいと思うクロエちゃん。
そんなある日、離れの校舎にある音楽室で一人歌を歌うナツメに出会います。ナツメの歌声は普段の毒舌な態度から想像できないくらい美しく綺麗なもので、クロエはその歌声に魅了されます。ナツメの歌声や歌っていた曲について絶賛するクロエ。そんなクロエの様子にナツメは急におかしそうに笑い出します。そして「いいや、君ならおもしろいから傍に置いてあげる、おいで」と引き寄せ、突然彼女が近づくのを許すようになります。ここからグッとナツメとの距離が縮まっていくのですが――。
ここからのナツメは甘いながらもどこか不穏で、真意が読めず、でも妖艶に甘やかす彼にときめかざる負えない感じがしてよかったですね。もう漂う危険な男臭です。ほんとナツメって酷い男だと思いますし、大変面倒くさい男なんですけど、それでも惹かれる魅力がありますね。まさに甘い毒。すき。
ナツメと不穏ながらも距離が近づくにつれてナツメの正体や過去とか知る事になるんですが、面白かったのはこのルート進めていくと、隠された設定に気付いていく事になり、その事に気を取られがちになるシナリオなんですが、そこに関わらずちゃんと「ミイラ」の物語になってるところがよかったですね。ナツメはまさに「ミイラ取りがミイラになった」そんなシナリオです。これがまぁ面白かったしよく出来ていたなと。最後の告白はもうほんとツボでツボで。他作品でも男に泣き縋られるの弱いんだって毎回毎回いってますが、今回もまぁしっかり泣き縋られて心をわしづかみにされました。うっ好き、、。「俺を裏切らないで」「俺を捨てないで」なんてまさになセリフだと思うんです。もう絶対ヤバい男なのに、たまりませんでしたね、、。種族の特性上可哀想で辛い特性をもつキャラばかりですが、ナツメはそこに加えて過去が重たいので、もう、なんか庇護欲ぶん殴られて幸せにしなくちゃ、ってなります。
まぁそんな感じの恋愛編ですが、恋人編からのナツメは相変わらず不穏で、でもクロエの事が好きで好きで仕方ない様子が可愛いなぁって感じます。特にクロエが精神だけ子供に若返るという展開があるんですが、子供相手にも全くブレないナツメはもう一周まわって愛おしいです。可愛い。可哀想な過去だし、辛い特性なので目一杯大好きなクロエといちゃついてほしいですね。ナツメが幸せならそれでニコニコしちゃう。面倒くさい男であるのは事実だし、現実なら完全に地雷すぎるんですけどね!でも可愛い。
あとこのルートはオリヴィエとエリカとクロエで女の子三人仲良しになってたのが凄いよかったなと。オリヴィエとは他ルートだと中々仲良くなれないので嬉しかったです。乙女ゲームにおける女の子が仲良しなシーンほんと好き。そういう意味でもこのルートは最後にやるのが一番いいルートだと思います。EDも他ルートと比べると凄くハッピーな終わり方してるんですよね。ナツメの生い立ちが可哀想なのもあるのか、終わり方は幸せです。ただまぁその手前のナツメが可哀想でぐううってなりましたが。クロエちゃんが許せないのはまぁわかるんですが、もうでも仕方ないとおもってナツメを受け止めてくれ!!ってなりました。彼はそうじゃなきゃ死んじゃいます。いやもうだいぶ理不尽だし身勝手なんですけどね。でもそんなナツメが好き、、。
しかし珍しく手放しハッピーEDより、実はBADの悲恋のが好きだったりします。可哀想ですし、ナツメの辛さを思えば絶対ハッピーの方がいいんですけど。でもあれはあれで凄い好き。お互いが互いに身勝手を押し付けた結果、あの結末なんでね。ある意味で対等な感じがして。どちらも辛いんですけど、でも好きでしたね。ナツメほんと。好き。
ということでめちゃくちゃドツボだったキャラでした。相変わらず訳アリ面倒くさいキャラに弱い弱い。しかしやめられない。好きだよ~~~ナツメ~~~~。