(ぬ)乙女ゲーム感想保管庫。

乙女ゲームの感想日記。

Re:BIRTHDAY SONG総合感想


honeybee制作、”死神彼氏シリーズ” 死後の世界で恋を唄うADV。



Re:BIRTHDAY SONG ~恋を唄う死神~ another record



ヒロイン含め登場人物は皆未練を抱えたまま死んでしまった元人間。死後の世界にある「死神」を養成する学校に通いながら、生前の未練と”死”の意味に向き合っていく、儚く優しい物語です





その歌は死神が捧げる、レクイエム――


天国と地獄の境目、人の魂が還る場所のすぐ近く。そこには人の魂を奪い取る神様、「死神」を養成する学校がありました。


死神候補生として学校に集められた、元人間である主人公達。そこでは、同じ死神を目指す候補生とそれぞれペアを組み、一人前の死神になるための勉強をしなければならないのですが…。


やることなすこと全てうまくいかず、誰からもパートナーとして選ばれなかった主人公ココロは、落ちこぼれ達を集めた特別補習授業を受けることに。補習に参加している他の死神候補生達は、様々な事情を抱えてこの学校にやってきた、クセのある男の子達ばかり。彼らの中から1人と、ペアを組むことになるのだけれど。


パートナーと共に、一人前の死神になることは出来るのでしょうか?それとも…。


落ちこぼれ死神候補生達が紡ぐ、たったひとつの恋の物語。


公式サイトより)


プレイ時間


共通:3時間
個別:5~6時間(死神アフター:1時間)


落ちこぼれの生徒が集まる特別補習組。そこに参加する死神候補生達は様々な事情を抱えるクセのある男の子たちばかり。素っ気なくバラバラでまとまりのない彼らと仲良くなるため、懸命に頑張るのが共通の物語になります。ハニビらしい、一つの物事を通して一致団結していく青春劇でした。共通から心温まるシナリオです。


個別からは攻略対象の中から1人とパートナーを組み、死神として”死”と向き合っていくシナリオになります。その中で、生前の未練や、”死”の意味、心の成長が描かれていきます。”死”がテーマの物語なので、作中は常に切なく儚い雰囲気がありますが、全体的に優しく暖かい物語です。勿論、死神養成学校が舞台なので、学生ならではの青春なども描かれています。学園青春モノはさすがのハニビといったシナリオですね。



選択肢/ED

選択肢

選択肢は基本二択(アイキャッチ無し)


攻略対象を想う選択肢か、死神としての選択肢かの二択な気がしました。攻略対象に寄り添えば、転生ED。死神として志せば、死神ED。といった感じですね。


ED

EDは転生ED、死神ED、BADの全三種+共通BAD。


転生EDも死神EDもどちらもハッピーEDです。


転生EDは生前の未練と向き合い、再び巡りあって想いが果たされるEDです。皆生前は辛い過去ばかりなので、それと向き合い果たされるEDは感動的ですね。
死神EDは永遠ともいえる死後の世界で、ともに支え合い二人で生きていこうというEDです。こちらには死神アフターという名の後日談があるので、こちらが正規EDっぽいですかね。二周目をプレイすると彼視点が追加されるシステムなので、


転生ED→BAD→死神ED→死神アフターで回収するのがおすすめです。


システム/サウンド/グラフィック

システム

いつものハニービーさんなので特筆する事ないです。しいていうならクイックセーブが自動で行われるのが、セーブしそこね防止になってよかったかな。ほぼ今回はクイックセーブ&ロード使わなかったんですが。二周目に彼視点追加されるシステムは周回する楽しさがあってよかったですね。幕間のアイキャッチの絵も相変わらず綺麗で好きです。


サウンド

優しく切ない綺麗な音が多かったですね。この音楽の優しさもハニビらしいなと感じます。素敵なものが多いので、ほんとサウンド一覧が欲しいです。


グラフィック

死後の世界とはいえ、ほぼ現世と変わりない作りになっているので普通の町中みたいな背景も多かったですね。背景グラ結構種類あったと思います。とはいえ飾りつけされた部屋と描写されながらいつもの部屋だったり、お祭りといいながら普通の街だったり。イベントに対応した背景はなかったのでそこは少し寂しかったですね。あと死神アフターでそれぞれのパートナーと同棲する事になりますが、その時の部屋が全面イメージカラー一色で染まってたのが笑いました。全面黄色とか赤色の壁の部屋とか落ち着かなそうだなとw
さといさんの絵がとても綺麗でときめきましたね。あわくて優しい色合い素敵ですし、顔が美人でときめきます。美人な顔が好き。キャラによってはキススチルがないの寂しかったんですが、この作品の前にプレイした作品はそもそもキスシーンすらなかったので、まぁキスが沢山あるだけ満足でしたね。


シナリオ

”死神”や”死後の世界”、”死”がテーマになっている物語なので重たく暗いシナリオを少し想像していましたが、全体的にそんなことなく暖かく優しいシナリオでした。一度死を体験し、”死”に一番近く理解がある死神だからこそ送り出せる”死”を描いていた気がします。この作品では”死”は恐ろしく、恐怖を抱くものばかりじゃない。死は”終わり”ではなく、次の人生への”はじまり”だと前向きな見方になるような描き方でした。もちろん、そこに伴う寂しさや孤独などの葛藤も描かれます。そんな辛さに寄り添い、次の人生を頑張って、いってらっしゃいと見送るような。鎮魂歌という名のエールソングのような印象でしたね。
ヒロインであるココロも、死神を目指しているという肩書にも関わらず、天真爛漫で明るく、色んな人の心を優しく暖かに包み込む姿は死神というよりは天使のような印象でした。明るく純粋な彼女だからこその死神のあり方が描かれてましたね。また死神養成学校が舞台なので、ちゃんと学園青春劇が描かれてたのもよかったです。
個別前半は特に学園生活の描写がメインで、死後の世界といえど若くして死んでしまった子達ばかり。生い立ち含めて未熟な心のままの子達ばかりなので、学園生活を通して少しずつ成長していく描写はさすがハニビだと感じました。相変わらず丁寧な心理描写で、恋愛過程もどれも自然できゅんきゅんしましたね。抱えている過去が皆重たく悲しいものばかりで、そこに向き合うシナリオ、”死”と対面するシナリオは凄く辛いです。しかしココロと過ごすことで救われていく想いだったり、ココロが躓いたときに引っ張っていってあげる頼もしさだったり。どの攻略対象ともお互いが支え合うとても素敵な関係性になっていたので、どのCPも捨てがたく、どの子にもココロが必要だと感じました。ココロを五等分したいです。ココロが足りない。
話の作り、流れは基本的に決まっているので人によれば金太郎飴感を感じてしまうかもしれません。個人的にはそれぞれの抱えている過去が明らかになっていく楽しさや、そこにどうココロが関わってくるのかが気になって飽きずにどんどんプレイできましたね。
恋愛面も、シナリオ面も安心安定のハニビらしい面白い作品でした。身に染みるやさしさなので、重たい作品を繰り返して疲れたときには凄く凄く癒されます。それでいてしっかり面白い話なので、優秀ですね。ハニービーさんのファンになる一方です。



キャラについて


ココロ

元気で負けず嫌い、天真爛漫な死神候補生
本作ヒロイン。天真爛漫で明るいやんちゃな女の子。あほの子で少し幼過ぎる部分もあるので、好みが分かれそうですが、自分の行いを反省したり向き合ったりする姿勢は好感もてますし、何より闇を抱えた男の子たちの心を救う描写はやはりココロちゃん天使だなぁと感じるばかりでした。勿論どこまでも前向きかといえばそうでもなく、逃げたり、いや!と拒絶したり、後ろ向きに考え少し思慮が足りない部分もあるので、もやもやもさせられた子ではあるんですが。でも人の心を救える子なので、好きですね。男の子に見えるくらいショートカットヒロイン珍しいので見てて可愛かったですね。女子力が低く、料理も裁縫も勉強も他の攻略対象の男の子より劣るのは、乙女ゲームのヒロインとしては珍しい方ですね。そんな子が女の子とて磨かれたり、お姫様になったりしていくのは凄く楽しかったです。全員にココロが必要だと思うので五等分してください。



カイリ

強気で好奇心旺盛な、特別補習組のリーダー
す”ッ”ッ”っ”き”ぃ”!!!いやもうほんと大好きですね。カイリはココロ同様、死神らしからぬ圧倒的な光属性な死神ですが、その反面に抱えている闇が深すぎて陰陽のギャップに凄くやられましたね。周りを引っ張っていく明るさに反した、自分を顧みない脆さというか弱さが刺さりまくりました。もう全力で幸せになって欲しいですし、なにも考えずに幸せになっていいんだと何度も教えてあげたくなる子でしたね。彼とココロは運命力強すぎるので、結ばれるべくして結ばれたと思います。恋愛面で余裕そうなところがたまんないですね。他ルートだとサポーターとして素晴らしいですし、本当大好きです。



ヨル

クールになりきれない、不器用な青年
顔面がかっこいい。ヨルが一番王道少女漫画らしいシナリオだったなと思いますし、生い立ちは他の子と比べると平和なものなんですよ。しかしすれ違い拗れてうまくいかない部分がヨルの不器用らしさがでていたと感じます。一番キスしてたし、一番恋愛してた気がする。ヨルはカイリの死神アフターで頭抱えるほど好感度上がりましたね。いい奴、、。皆の世話を焼くお母さん兼お父さん、そして頼りになるお兄さん的な立ち位置にある印象が強かったので、転生EDの時に見えた泣きそうな声で縋る一面が、彼のココロへの想いの強さを感じてすきでした。お幸せにな~~!



アメ

年下だけど誰よりも頼れる、知識豊かな少年
一番おだやかで優しいシナリオ。恋愛面というより、この作品に置ける”死”の意味だったり、心の繋がりだったりを改めて考えるお話だったなと感じますね。ナミルートの伏線が多くてアメに集中出来なかったのがもったいなかったですが、アメ自身は凄く魅力的でしたし、”死”をテーマに扱う作品としても大切なルートだったと感じます。アメの生い立ちも真面目に考えるとめちゃくちゃ悲しいものなんですよね。重く暗く描写しすぎていないので、切ない儚い印象の方が強いですが。普通に悲しすぎる生い立ちなので、沢山幸せになってねと感じます。



シュン

ガラが悪くてちょっぴり怖い?ぶっきらぼうな男の子
ニヤニヤきゅんきゅん枠。癒しカップルでしたね。シュンの生い立ちはリアルにありそうなのが辛かったです。家族ネタ弱いのでウルッとしましたね。彼も辛い生い立ちなので、めい一杯幸せになって欲しい。ルート全体でみると彼の心の弱さが目立つシナリオでもありましたが、そこを乗り越えて成長した死神アフターは凄く感慨深いものがありましたね。シュンは本当に男前に成長したと感じます。ココロちゃんと何気にいい関係性のカップルなので、他の攻略対象皆と一緒にずっとニヤニヤ見守ってあげたい二人です。可愛い。



ナミ

いつもダラダラ、やる気のない死神の先生
はあああ、、、すき。結局ハニビの闇を抱えた男に弱いんですよね。拗らせクソデカ感情執着ヤンデレですけど、放っておけない危なっかしさがあるというか。壊れた姿が痛々しくって愛おしいんですよ。庇護欲ぎゅうぎゅうに握られてダメでした。この√結構ココロにもやもやしたり辛くなったりしたシナリオでしたが、最終的に行きつく関係性があまりに素敵すぎて大好きになってしまいましたね。転生も死神もどちらのEDも素的だと思いました。ココロは本当に良く乗り切ったと思いますし、ナミ先生は本当壊れてしまうほど辛く悲しい傷をずっと背負ってきたと思いますので、沢山沢山ココロと幸せになって欲しいですね。全力で幸せになって~~~!!!!!!



最後に

凄く凄く安定して面白い作品でした!”死”というテーマでありながら暗くなり過ぎず、でも決して軽くなり過ぎない。心に染みるお話で、プレイしたあとの読後感がとてもいいです。リバソン内でアバソンの伏線が沢山あったので、そのうちアバソンの方もプレイしたいと思います。ありがとう!!



推しランク 


カイリ=ナミ>シュン>アメ=ヨル


いやでもめちゃくちゃ皆いい子で全員大好きです、全員幸せになってほしいし、全員にココロをあげたい。その中でカイリとナミ先生は放っておけないセンサー殴ったので、この二人が推しですね。皆幸せになって!!!