(ぬ)乙女ゲーム感想保管庫。

乙女ゲームの感想日記。

明治活劇 ハイカラ流星組 ―成敗しませう、世直し稼業― 個別感想①(久史/楓花/賢)





南郷久史

不器用な比肩星
けいの勤め先の三男坊で、16歳。ヴァイオリンを先行している音楽学芸学校の壱年生。けいとは四年ほど前からの付き合いだが、特に親しい間柄ではない。横柄な態度をとってしまうも、ハイカラ流星組を通じて互いを知っていく中で、気付けば大事な存在となっていく。


久史はけいちゃんが勤める米屋「たわら商店」の三男坊になります。けいちゃんは本編開始時点で「たわら商店」に勤めるようになって4年が経っている状態なので、久史とも4年の付き合いになります。しかし家族関係があまりよくない久史は、あまり家にいる事もなく、けいちゃんとも特に会話をする事はありませんでした。時々会話をするときもありますが、久史からすればけいは立場が下の人間というのもあり、上から目線な態度を取られる事がしょっちゅうです。なので、けいちゃんから見た久史の印象は「よく分からない人」なんですよね。そもそも自分よりよっぽど恵まれた環境で育ってる久史が、何にそんな不満を持っているのか。序盤の頃は苦労しているけいちゃんからしたら久史坊ちゃんはとても贅沢に見えるんですよね。久史は音楽学校に通っていますが、音楽学校に通わせてくれているのも親のお金です。でもその親には突っぱねるような態度をとります。どうしてそんな態度をとるのか分かりませんし、どうしてそこまでして熱心に音楽を続けているのかも知りません。知っているのは、家族と不仲ということと、たまにバイオリンの練習で聞こえてくる音色が綺麗だなということだけです。まぁ4年の付き合いになりますが、会話を特にしてこなかったので、相手の事がよく分からなくっても当然なんですよね。
色々あってハイカラ流星組を一緒に組む事になり、良く話すようになり出してからお互いを知っていく事になります。けど育ってきた環境も考えも違う二人なので、衝突したり喧嘩することも多いです。久史自身自分が正しいと思ったことは誰に対してもストレートに言い、横暴な態度をすぐとるため、言いあいになりやすいんですよね。これは一例ですが、共通序盤、けいちゃんは久史坊ちゃんが贅沢にみえる事をそのまま伝えるシーンがあります。しかし「自分の物差しで物事をみるな」と久史に指摘され、けいちゃんは反省します。このように作中、けいちゃんは何度も久史から考えや姿勢を指摘され反省したり、自分自身を見直したりしていましたね。久史も口は悪いけど段々けいちゃんに寄り添っていくようになっていくというか。と、いうより最初っから久史の態度は好きな子の気を惹く為のいじわるって感じが滲み出ているというか!けいちゃんの考えや姿勢を指摘するし、邪魔だのいらないだのなんだかんだというんですけど決して「嫌い」とは言いませんし、わかりにくけど気にかけてるのが丸わかりなんですよ。しかし素直に「好き」って言葉はいわないので、けいちゃんの鈍感さも含めて全く伝わっていないところがニヤニヤしますし、応援してあげたくなる気持ちになりますw共通から個別にかけて終始久けいの二人は見ていて可愛いんですよ。ニヤニヤできるというか。この二人の関係いいなぁ~~って穏やかな気持ちでみれます。
個別からは新たに「ハイカラ流星組」として請け負った依頼をきっかけにどんどん話が転がっていくんですが、この個別、振り返るとけいちゃんかなり怖い目にあってるよなぁと。後半の方、けいちゃん結構可哀想な状況に陥るというか、段々メンタルが弱っていってるのがわかるんですよね。自分を責めたり、情緒不安定になったり、疲れを感じていたり。それでも決めたことを貫こうと頑張ろうとする姿が素敵で。普通のただ母親と平凡な日々を過ごしていた16歳の少女が、何度も怖い目にあったり不安に苛まれていたりしたらそりゃメンタル弱っていくよなぁと。後半の方の久史が「自分を責めすぎるな」とか「お前は頑張りすぎなんだよ」とかけいちゃんを労わってあげるセリフが多かったのとても良かったです。
思えばそれだけメンタル弱って辛いはずなのに久史を想って「馬鹿は私だけでいい」って言えるけいちゃんは本当に素敵だなと思います。いい子ですよね。大好きです。個人的に結構この個別の話の落としどころが好きだったりします。共通の時点で「ハイカラ流星組」で行う世直しは勿論困っている人を助けたいって想いもあるけど、それ以前に「自分が知りたいから」「自分のため」っていってるんですよね。自分の為に行うって綺麗事を言わないところが好きだなぁと凄く感じたシーンなんですが、この個別ラストの成敗はまさに「自分のため」の成敗というか。色んな事に苛まれてもううんざりして平穏に過ごしたい!!ってけいちゃんのしたいことをちゃんと叶える成敗の仕方で、とんちみたいなものを感じて面白かったです。勿論色々謎は解決されないまま終わっている√なんですが、これも一つのけいちゃんと久史が選んだ結末っぽくって好きですね。他のルートだとどういう終わりをするのか、凄く楽しみです。
久けいに関してはひたすらきゅんきゅんするシーンが沢山あって、相変わらず高木さんが的確に私のツボを押さえてくれるところに感服しました。けいちゃん、母親に対してもそうですが、大切な身内はなにより大事って姿勢ですし、久史も好きな子には尽くすというか、俺が面倒みてやりたい、傍に置いときたい、頼られたいって考えるタイプなんで、久けいの二人はどんどん互いに想いあってくれそうでいいですよね。それこそ紲EDとか少しだけ信じれるのは互いだけという二人の世界っぽさありますよね。なんとなくBADではないんですが、ほの暗さを感じるというか。
歓喜EDやステラの小冊子みてても思いますが、久史はツンデレ枠ではありますが、自分の考えや想いはストレートな印象なので、「けいが好き」という想いの純度は100%そのままの気持ちなんだろうなと思うとときめいてしかたありませんね。たまらん。久史、けいちゃん大好きかよ、、大好きすぎるね、、。相変わらず最高に楽しかったです。高木ゲー本当に相性が良くってしんどい。他のルートが楽しみで仕方ありません。久けいちゃん大好き!


守田楓花

可憐な綺麗星
15歳で帝都の人気歌舞伎役者に上りつめている実力者。厳しい稽古を毎日行っており、けいに泣きつく姿がよく見られる。そんなけいとは休みの日に出かけるほど、とても親しい間柄。よく茶屋で愚痴を披露したり、結婚について話し合っている。男の人が苦手。


帝都で人気な歌舞伎役者。歌舞伎役者というのは本来、男性しか舞台に立つことが出来ない職種ですが、楓花ちゃんは女の身で歌舞伎役者として登壇しています。その可憐な容姿、美しく儚い佇まいは殿方から非常に支持されており、物語に出てくるサブやモブは皆楓花ちゃんの虜です。実際共通の間はヒロインであるけいちゃんよりもずっとずっと乙女なんですよ。厳しい稽古を毎日行っていますが、そのあまりの厳しさに逃げだし、儚い涙を零しながらけいちゃんに泣きついたり。ちょっとした言葉でも傷つきやすく、繊細な心を持っていたりと。とにかく可憐で儚い美少女という印象が強い子です。しかし役者という職業柄、相手が何を求めているのか察する力には長けているので、意図的に思わせぶりなセリフをいい、相手を誘惑し騙したりすることもあります。それを楽しんでいる様子もみられるので、単純に世間を知らないお嬢様というわけではありません。小悪魔的で強かな側面も持ち合わせています。
そんな儚く誰もが護ってあげたくなる理想の女性(ちょっぴり小悪魔)な楓花ちゃんとの関係性についてですが、楓花ちゃんも久史坊ちゃん同様ゲーム開始時点ですでにけいちゃんとは4年の付き合いがある関係性です。久史坊ちゃんと違うのは二人が4年以上親しい関係を続けており”親友同士”というところですね。この”親友”というのが√全体のポイントになっていたと思います。
この√凄く乙女ゲーにしては珍しいシナリオだったと思うんですよね。男女の関係というよりは、女友達の延長線にもみえるし、恋や愛の話以前に執着や依存が先にあり、そこを下敷きに恋心がある印象です。けどそこを含めてこの二人らしい、この二人だからこそ行きつく関係かなと思えて個人的にはとても楽しかったですね。
では何がこの√が特殊で変わっているかというと。そもそも一番この√をややこしくしている原因は楓花の性別問題にあります。先ほど楓花は”女の身で舞台に登壇している”といいましたが、楓花自身はれっきとした男です。しかしその事実は周りの人間おろか、本人すら知らないんですよ。共通終盤までは楓花の性別というのははっきり明かされません。実際公式も発売前から楓花の性別についてははっきり明言していませんでしたし、共通中盤までは楓花の性別について触れるシーンが一切ないので、プレイヤー自身もどっち??って困惑すると思います。それくらい当たり前のように周りの人間も楓花自身も女性としか思えない言動をしているんですよ。それどころか、周囲の人間に楓花は実は男なんじゃないかと疑われただけで楓花は酷く傷つき、引きこもってしまうほどでした。そもそも楓花は男性嫌いですからね。男性が嫌いなのに、自身が男性なんて信じたくないという部分もあるんでしょう。
この√、共通の時点で楓花の性別が男だけど、心が女であることがわかるので、一体どんな恋愛になっていくのかと思いましたが、最終的には「性別は関係なくあなたが好き」という答えなのが凄くよかったですね。そもそも楓花は共通の時点で唯一の友達で大切な親友であるけいちゃんに普通以上の執着と依存を持っていることが描かれています。なにかとけいちゃんが自分にとって親友なのか試したり、親友の証が欲しかったり、自分は家の都合で結婚するけど、けいちゃんは自分から離れちゃいやだから結婚してはダメと勝手な言い分を主張したりと。「親友」にしてはやけに執着が強いんですよね。楓花ちゃん自身凄く厳しい家で育ってきています。勝手に本人許諾なく芸事の為にと「女」として育てられ、外には出してもらえず、都合が悪いことは怒鳴りつけられて有耶無耶にされて。本人が知りたいこと、やりたいことは一切与えてもらえないまま、育ての親のなすままに育ってきています。家から強い束縛をうけて育っているんですよ。そんな中で嫌になって家を飛び出したすえに出会えたたった一人だけの存在がけいちゃんです。家によって生き方を全て束縛されている楓花にとってけいちゃんだけが唯一楓花が自由に関われる”楓花自身のもの”なんですよね。けいちゃんとの出会いをきっかけに家の束縛も少し軟化したこともあり、楓花にとってはけいちゃんは楓花の生き方や価値観を変えたきっかけの存在なんですよ。なので、思い入れもひと際強く、依存と執着を持っています。
個別に入り、楓花自身の性別問題が関わってくることで、ここに男女としての恋情も混ざっていきます。元々ある執着心に恋心も混ざる事でどんどん執着が強くなっていくんですよね。楓花は共通の時点で「変わりたい」「自分を変えたいから流星組にはいりたい」と今までの自分を変えたい気持ちが強いです。けいちゃんへの依存が強くなりだすと、その変わりたいって感情は「けいちゃんのために」「けいちゃんに好かれたいから」に変わっていきます。この個別って全部楓花の成長劇ですし、実際どんどん楓花は変わっていきますが、個人的に楓花自身は根本的なところはなにも変わってないんだろうなと感じましたね。けいちゃんへの依存心も、依存することで”自己肯定”に繋がってますし、「けいちゃんのため」といいつつ、その想いには「けいちゃんから愛されたい」「けいちゃんから好かれたい」という見返りを求めた自己愛によるものです。無意識にやきもちを焼いて、感情のままひどい事をけいちゃんに言ってしまっては後悔したり、けいちゃんが自分から離れていくと思った瞬間、癇癪を起して「けいちゃんの為に変わろうと頑張ってるのになにも理解してくれない!!!」と詰ったり、けいちゃんを気を惹きたいがために「友達やめる」と逃げの選択をとったり、とんでもない行動をしてみたりと。この√凄く楓花は感情のまま暴れ回ってくれますが、けいちゃんはそれでもついてきてくれるんですよ。久史√でもそうでしたがけいちゃんも一度心の内に入れた相手にはとことん尽くすタイプというか。無意識に自己犠牲的で献身的なところがあるので、序盤に楓花ちゃんから言われた「何があっても楓花ちゃんの味方でいる」という約束を守ってくれます。わりとめちゃくちゃ振り回されて怪我したり仕事辞めたり色々されてるのに決して見放しませんし、癇癪起こして感情で起こる楓花ちゃんに対しても同じように怒鳴るわけじゃなく、嗜めるように、楓花ちゃんのためを想って対応しているようすとかもよく見られました。そのうえで喧嘩別れしてしまったあとでも、(どうしてこうなるのよ。楓花ちゃんのばか。……私のばか)とうまく楓花ちゃんと分かり合えなかった自分自身を責めて反省する様子なども見れてこの√ほんとけいちゃんに5000000000000点あげたいくらいにはけいちゃん凄くいい子でしたね。
そうやってどれだけ振り回してもついてきてくれるけいちゃんの存在に安心して、よりけいちゃんへの想いを強くする楓花の姿はなんともずるいなぁと感じるんですが、楓花自身も今まで知らなかった事実をしったり、男か女か、性別をどちらで生きるか多くな選択を迫られたり、生活が色々変わっていく環境のなかで気持ちが混乱しやすく、その中で唯一手放したくないけいちゃんの存在をつなぎとめるのに精一杯だったんだろうなと思うとまぁ仕方ないかなぁとも思います。あと育ての親から束縛される環境で育っているので、そんな生い立ちの子が示せる愛情表現が同じ束縛なのも仕方ないのかなと。「変わりたい」と何度もいいながら、根本的に買われずに何度も同じ失敗をして後悔してを繰り返しながら何度も変わろうとする姿は凄く人間らしくっていいなとおもいました。
結局のところ楓花は自分が男か女か関係なく「けいちゃん」に執着してますし、けいちゃんにとっても楓花が男か女か関係なく「大切な人」なんですよ。”性別関係なく相手がいい”から思い遣りに欠けようが必死になりますし、何されようが許せてしまうんでしょうね。この二人が4年間築いてきた”親友”という絆があるから成り立つ関係性だなと感じます。この二人はこの二人だからこその絆があるのでどれだけ揉めようが、ずっと離れずいそうな気がしますね。
なにってこの二人、実は個別終盤でわかる事実がかなり泥沼な関係なんですよ。楓花ちゃん自身その事実で一回はけいちゃんを拒絶して酷い言葉で詰っています。けど実際は立場は逆で。作品上ここらへんの部分は描写されてないですし、省略されていますが、この泥沼な真実をもっと深く考えると結構拗れそうだなと感じます。けど結局楓花は後悔と罪悪感を強くしますがそれを依存と執着で昇華していきそうですし、楓花は許せず詰りましたが、けいちゃんはかなりのお人よしなので、逆の立場だと許してしまいそうなんですよね。そう思えば、泥沼な関係が下敷きにあろうが、この二人が築いた絆のほうが強いのかなと思います。
個人的にけいちゃんは性別関係なく楓花ちゃんが好きという「愛」に近い感情を持っていますが、楓花は依存と執着が先で、そのあとに「恋」をしているので、エピローグや後日談小冊子で男の欲が全快になっているところが面白かったですね。けいちゃんはもう深い愛情な感じで楓花ちゃんならなんでもいっかみたいな状況なのに、楓花はけいちゃんに接吻したいし抱きしめたいし押し倒したいし服を脱がせたい一緒にお風呂入りたいと恋する男全開で欲望丸出しな感じの温度差が好きです。この二人はこの二人で凄く大好きな二人になりましたね。


咲村賢

洒落た宿星
銀座近くで洋服店の店主をしている敏腕な22歳。楽天的な性格。謎多いキャラだが、けいとの出会いに救われた過去があり、それ以降何かと手助けをしてくれる、頼れるお兄さん。時には長屋に顔を出して差し入れをくれたり、洋服を仕立ててくれる気前の良さがある。


気さくで明るく、気前のいい賢さん。彼は若くして銀座で店を構える敏腕テーラーです。けいちゃん親子をなにかと気にかけ、差し入れと称して高級食材を持ってきたり、洋装などを無償で仕立ててくれたりします。けいちゃんに対してまさに至れり尽くせりといった感じです。賢さんがけいちゃん達に対して献身的なのには理由があります。ゲーム開始時から1年前。賢さんはけいちゃんと出会ったことで救われているんです。テーラーとして確かな実力のある彼ですが、帝都にきてすぐの頃はその敏腕さを振るわれる事はなく、いく当てもないまま路頭に迷い、飲み潰れていました。そんな時、たまたまけいちゃんと出会い、どこの誰かも分からない賢さんを心配して面倒をみてくれたんです。しかも一か月だけですが、身寄りがないという賢さんを引きとって一緒に住んでいたんですよ!この頃から母親の病気で家計的にも辛かっただろうに、芳川親子がいかにお人よしなのか分かりますよね。そんなわけで、その時の恩を返したいと、テーラーとして実力が認められ自立したあともなにかと世話を焼いてくれる賢さんです。
そんな賢さん√ですが、高木ゲーの中では非常にわかりやすくスタンダードなキャラだったように思いますね。といっても他の乙女ゲームでいう曲者キャラなんですが。所謂「真意が読めない胡散臭い嘘つきキャラ」です!賢さんは楓花ちゃん同様厳しい家庭環境で育ってきています。しかし厳しい家に有無も言えず反抗や知ろうとすることすら諦めて人形同然にいいように扱われていた楓花ちゃんとは反対で、賢さんは早い段階で全てを捨てて家から逃げだしたタイプです。それこそ本当に全てを捨ててるんですよね。愛情や人情というものを全て諦めて、物分かりいいふりして全て捨ててきたタイプです。愛情に飢えているのに愛情を与えられないまま育ってきたため、非常に警戒心が強く疑心的。本心を見せるのが怖く嘘を重ねて何重にも予防線を張っているんですよね。そのため、他のルートでも個別でも賢さんは嘘をつくことも多く、また近づいては離れてを繰り返すことになります。
嘘をついて、けいちゃん自身にもあまり人を信用するな、俺も信用するななんて沢山予防線をはるのに、惹かれているけいちゃんには本当の自分を知って欲しいって欲もあって内面を見せる。けど全てを踏み込まれる勇気はなくてまた距離を取る。このまさに愛情に飢えているのに愛情を無償で貰うのが怖い、不器用な子供というのが賢さんという人間像だなと感じます。賢さん自身正しい愛情を貰えずに育ってきているので、けいちゃんに対して確かに”好き”という好意があるのに、それが本当に愛情によるものなのか本人もわからないんですよ。好きだと自覚して心が近づいたと思えば、勘違いだったのかもしれないと突き放して離れていく。でも愛に飢えているので、惹かれたけいちゃんが本当に離れていくのは嫌なんですよね。自分で突き放しておきながら未練がましく何度も手を伸ばしてします。本人自身が揺れ動きまくってる感情をそのままぶつけられてるけいちゃんからしたら「賢さんが何を考えているのかわからない」ってなりますよね。
他のルートでも言いましたがけいちゃんは内に入れた相手には愛情深いんです。賢さんに好意を向けられて意識して、彼になにかしてあげたいって思うのに、賢さん自身が愛を受け取るのが怖いから離れていく。いたちごっこみたいなすれ違いを何度も繰り返してようやく手に入れる信頼関係というのが凄く凄くときめきましたね。そもそも愛に飢えている賢さんからしたら、無償で愛情深く寄り添ってあげようとする素直なけいちゃんの存在って凄く救いですよね。賢さん自身の生い立ちのせいで、疑り深く警戒心が強いために、何度も近づいては離れを繰り返しますが、賢さん自身は最初っからけいちゃんのこと凄く凄く大好きだったように思います。けいちゃんになにかあれば、すぐにすべて放ってけいちゃんのもとに駆け付けてくれますからね。彼、ほんと最初っからけいちゃんのことめちゃくちゃ大好きですよね。
なにがいいって、賢さんの愛情表現っていうのがめちゃくちゃ子供のじゃれ合いみたいないちゃつき方なんですよ。くすぐりだったり、起き上がるのを邪魔したり。幼い頃にそうした子供らしいじゃれ合いを家族と出来なかった子が、自分よりもずっと歳下の少女に対して愛情表現として示してるのがも~~~めちゃくちゃよくってですね!もうめちゃくちゃわかりやすい愛情に飢えた不器用な子供~~~って感じでとにかくたまりませんでした。本人も自覚ありますしね。不器用な愛情乞食キャラはめちゃくちゃ昔から大好きなので、賢さんは見ていて凄く愛おしくなる子でした!賢けい大好きです!面白かった!!!