(ぬ)乙女ゲーム感想保管庫。

乙女ゲームの感想日記。

Re:BIRTHDAY SONG個別感想②(アメ/ナミ)





アメ


物静かな少年。どんな物事に対しても冷静で、自分が思った事や感じた事は素直に言葉にする。そのため意図せず相手を怒らせてしまう事も……。特別補習組の中では一番年下で、他のメンバー達から弟扱いされている。しかし実際は誰よりも長く冥府で暮らしていて、死後の世界の知識が豊富。


アメは物静かで感情の起伏が乏しいというか、あまり表情にでない子なので、どんなことでも淡々と対応する冷静で落ち着いた子です。人と感性が少しずれているとこがあり、ややマイペース。思った事を素直に言葉にする子なので、ズバッと厳しい物言いをする時もあり、序盤は少し冷たい印象を持つ子でした。共通序盤のアメはあまり人と関わる気がなく、友達になりたいと交流を持とうとするココロにも距離を取りがちというか。関わる気がないとはっきり言っちゃうような感じで、ココロにも冷たくあたります。しかし誰ともうまくいかず悲しい寂しいと落ち込むココロに対して心配はしてくれるんですよね。
共通から実はアメにはなにか秘密があるのが分かるというか、アメって凄く勘がいいというか、人の気持ちに敏感なんです。死神は魂そのものの為、他人と触れ合った場所からなんとなく「楽しい」や「悲しい」といった漠然的に感情が伝わってしまう性質があります。その為死神自体がお互いの気持ちを察しやすい体質なんですが、アメはそれが人より強いというか。なんとなく他の死神よりも察しがよすぎる描写が共通から描かれています。それゆえ、人とあまり交流を持ちたくないとココロを突き放すものの、寂しい悲しいというココロの気持ちには察して心配してくれるんです。
またアメはココロの歌声に聞惚れてしまいます。ココロは何をやってもうまくいかない不器用な子ですが、歌を歌う事だけは大好きで、唯一の特技だと自負しています。そんなココロの歌声を聴いてアメはココロに気を許すようになっていくんです。「あなたの声はうるさいくらい」「でも歌声は安心する」と。アメ自身、人と関わり会いたくないだけで根っ子は素直ないい子です。ズバッとあけすけない物言いをするので、厳しい印象ですが基本的には穏やかで優しい子です。なので、一度ココロに協力すると決めれば仲良くなるのも自然な流れでしたね。この二人は穏やかに信頼関係を築いていきます。
それは個別に入っても同じで、他のルートだと個別に入りパートナーを組むとまず追いかけっこだったり避けられたりしていましたが、アメとは最初っからお互いがパートナーとしてまず仲良くなろう!って思いあいます。そのため、とりあえず夏休みは一緒に遊ぼうと約束してお互いの部屋に行くことになるんですが、お互い友達がいない同士どうすればいいのかって悩みます。ココロも友達がいなけりゃ、アメも人とあまり関わり合いたくないゆえ友達がいません。アメはそれどころか、「遊ぶ」ということもあまり知らないようです。
そんなアメを見かねたココロは、アメに色んな「遊び」を教えます。動物と追いかけっこしたり、かくれんぼしたり。アメは外で遊ぶこと自体知らないんです。そんな彼がココロに沢山の「遊び方」を教えてもらい、今まで体験したことない事を経験していくうちに、それをココロと一緒に体験できているという喜びを覚えていくようになります。ココロも表情があまりでないアメが時折見せる柔らかい笑顔にもっと見たい、アメの笑顔をみるとドキドキすると心惹かれていくようになります。そうして段々より仲良くなっていきますね。
なんというか、アメルートは本当に穏やかに優しい話だった気がします。アメは生前の生い立ちや、隠している事情から人と距離を取りがちなんです。でも心の底ではそれが寂しいと感じているというか。根は人を素直に思い遣る子なので、友達になった子にはとことん素直な好意を示すというか。優しいというか。そんなアメを想い、アメにもたくさんの友達が出来てほしい、私はアメから離れないとアメの心を救ってやるココロちゃんは本当にいい子だなぁと感じますし、アメが惹かれる理由も凄くわかるんですよね。なのでこの二人の恋愛はすれ違いも多少ありはしますが、他ルートと比べると穏やかですし優しいです。
最後の方に描かれる死神としての課題もこのルートは重すぎないというか、アメと事情は似てても、アメとは直接かかわりのある人物ではないですしね。生前の未練云々の問題はそこまで絡んでこず、辛い悲しいといった負のイメージ以外の「死」についての見方を提示したシナリオというか。「死」が怖いものではないという、優しい「死」を描いたお話でした。それは生い立ち故に傷を持っているアメだからこそ、導いてあげてる成仏って感じがしましたね。アメの生前も悲しいものです。暗いものですが、そんな生い立ちのアメだからこそ、導いてあげれる「死」の答えですし、その答えを出してあげれる事自体がアメ自身の成長を感じました。優しいシナリオです。
そんな感じでルート自体は優しいものなのですが、その代りこのルートは真相、ナミルートへの伏線を沢山はったシナリオになってましたね。不穏な要素は全部ナミ√への伏線に回された感じがして、アメのルートなのに謎がたくさん残ってしまって、すっきりしないのがアメに集中できなくって少し勿体ないなと感じます。本当にナミルートの伏線が主に多かった印象です。アメ自身いい子で好きなだけに少し勿体なかったなと。しかしそれを抜きにしてアメ自身は優しいお話で、幸せになってねという気持ちで読みました。
個人的に面白かったのは転生EDと死神EDのあり方というか。今までのルートだと、転生EDは離別があるけど限りある命の中もう一度結ばれる、死神EDは永遠の命の中あなたと共に支え合い生きるという印象があるEDでした。しかしアメの場合これが逆になってる印象だったのが面白かったなと。転生のほうがこの二人は末永くずっと一緒にいて、死神のほうが限りある時間でめい一杯相手をうシナリオになってたのが、また違う「死」の意味を描いていて面白かったです。死神アフターもそうですが、アメルートは人間らしい「心の繋がり」がテーマだった気もします。あったかいシナリオでした!


ナミ


特別補習組の面倒を見ている教師。死神としての地位は高いが、つねにやる気がなく、生徒達の前ではダラダラとしている。また、死神としてまともに働いているところを誰も見たことがない。現世で作られている煙草を気に入っていて、隙を見つけては現世からこっそりくすねてくる。


ナミ先生は特別補習組の担当教師ですが、基本的にやる気がなく、だらけているかタバコ吸っているかな不良教師です。しかし適当な物言いをしながらも、なんだかんだと生徒の相談に乗ったり、まともなアドバイスをしたりと、面倒をみてくれます。死神としても非常に高い位につくほどの実力者であり、隙がない人物です。その為、真意を計り知れないところがあります。そんなミステリアスで面倒くさがりながらも世話を焼いてくれるナミ先生。彼の√は攻略対象全員を攻略後に解放されるルート、すなわち真相√になりますね。ココロの秘密や、冥府の秘密、ナミ先生の思惑、全てが明らかになるルートでした。
ナミ先生ルートはまず、個別に入ると彼の使い魔であり、飼い猫のユユとパートナーを組む事になります。ユユは無邪気で明るい今作のマスコット的な立ち位置でありますが、ナミ先生の使い魔として死神としての経験が豊富で、パートナーとしてもとっても頼りになる存在です。そんなユユとパートナーになれて頼もしいと喜ぶココロでしたが、その喜びもすぐ撤回することになります。ユユはいざパートナーになると、張り切りすぎてやや小姑っぽくなるんです。朝から晩までココロの生活を厳しく叱るユユに段々疲れていくココロ。他のルートだと攻略対象達を追いかけることが多いココロですが、ユユ相手だと逆に逃げる側になっていたのが面白かったですね。
厳しいお説教を繰り返すユユに疲れて逃げ出したココロは、ナミ先生に匿ってほしいと助けを求めます。そこで彼の執務室に訪れることになるんですが、彼の執務室はとにかく物が散乱しており片付けがされている様子がない。そのうえまともに食事をとっている様子もなく、タバコばかり吸っているという。だらしないとは思っていたがどうやら日常生活も疎かにしている事をしります。どんなにやる気がなく不良教師な態度を取ろうと、こうしてユユから匿ってくれて、相談にも乗ってくれる。なんだかんだでいつも世話を焼いてくれるナミ先生に感謝を抱くと同時に、その反面彼の生活態度を心配になったココロ。彼がせめて食事をちゃんととれるようになるよう毎日お弁当を作ること思いつき、それをきっかけに交流を持っていくようになります。
しかしココロは女子力底辺の女の子。料理を作ると炭を錬成しちゃう子です。なのでナミ先生も最初はココロのお弁当を食べもせず、修行して出直して来いと追い返しちゃいます。悔しかったココロはなんとしてもナミ先生にお弁当を食べてもらえるよう猛特訓をすることになるのでした。ここからのココロは通い妻よろしく、ひたすらナミ先生の執務室に足繁く通いなにかと世話を焼こうとする日々です。このルートのココロちゃんってなんというか、先生に恋して距離感を勘違いしちゃった女子高生って感じで、なんというか積極的で押せ押せって感じなんですよね。本人は至って無自覚ではあるんですが、ナミ先生が好きなのは誰がみても分かるというか。面倒といいつつなんだかんだで優しく世話を焼いてくれるナミ先生に惹かれたのは一目瞭然で、お弁当を毎回作ってくれるお礼にどこか連れてってやるというナミ先生にデートですか!?と浮かれたり、ナミ先生ともっと一緒にいたいとねだってみたり、なんというか序盤のココロは恋する乙女でした。そんなココロに呆れつつも、ココロの願いをかなえてあげるナミ先生は確かにかっこよくって、どんどん惹かれるのも分からなくはないんですよね。
そうしてココロの無自覚な片想い描写が続いていくんですが、時々ナミ先生も凄く愛おしそうな優しい目を向けてくるようになるんですよね。でもそれは何処か違和感があって。段々この違和感が大きくなってナミ先生の思惑を知っていく事になります。中盤からはずっと不穏な展開というか。そもそもナミ先生って他ルートで凄く意味深な感じで出てくるんですよ。BADでは何かと不穏な言葉を残していく人です。そんななにやらクソデカ重感情を持っているのが見え隠れしている人なんで、穏やかな恋愛になるはずがないんですよね。
結果からいってしまうと執着ヤンデレ+二番目の女ルートというしんどい展開がどんどこ繰り広げられます。二番目の女、身代わりでしかないココロの切なさも分かるし、かといってナミ先生のクソデカ感情も放っておけないしで、もうどっちに感情移入したらいいのかよくわかんないままひたすらしんどい気持ちでプレイしましたね。やあ、、ハニビの壊れた男に弱いんです。ナミ先生は壊れてます。しかしその壊れた様子が痛々しすぎて、愛おしいんですよね。ココロの辛さも凄く分かりますし、かといって痛々しいくらい壊れてしまってるナミ先生を置いていけないのも凄く分かるしで、後半はひたすら唸りながらプレイしてたんですが、そこを乗り越えてからのココロとナミ先生の関係はとても素晴らしく、この二人のこと凄く大好きになりましたね。
二番目だったココロが一番になる瞬間ももうときめきましたし、その後そこにいきつくまでに散々ココロを傷つけたことを後悔するナミ先生があまりに好きで、そんなナミ先生をなによりも暖かく優しい心で包み込んであげるココロは、本当に天使~~!!!ってなりました。色々壁を乗り越えた二人なので、死神アフターで見るこの二人はとってもとっても素敵で幸せになってね~~!!って気持ちになりましたね。中盤の逃でて怯えるばかりだったココロも、壊れてしまって過去に囚われたナミ先生も、お互いが凄く成長し変わったシナリオだったなと。
またこのルートは他の攻略対象の過去も出てくるシナリオだったので、それぞれの個別でみてきたココロとの関係性を思い出し、複雑になるというか。皆ココロが必要で、皆ココロに救われた子達なんですよ。なんでココロが足りない、5人全員にココロを渡してあげたい気持ちになりました。この作品の結論はココロが足りない、です。
そんな感じでナミ先生ルートはほんと中盤しんどいし、ココロにもナミ先生にももやもやしたり、感情移入して悲しくなったりと複雑な思いをしたシナリオでしたが、そこを乗り越えた先の二人の関係が本当にツボでたまんないお話でした!楽しかったです、幸せになって!!!

Re:BIRTHDAY SONG個別感想①(シュン/ヨル/カイリ)

あらすじ

ヒロインは気付いたときには見知らぬ街に立っていました。ここがどこなのか、何故自分がここにいるのか、それどころか自分がそもそも何者で、名前はなんというのかすら分からない。記憶喪失の状態で、右往左往しているところに一羽のフクロウが現れます。そのフクロウはまるで人間のように衣服を身にまとい、人の言葉が喋れる不思議なフクロウ。彼はいいます。「ここは天国と地獄の境目、人の魂が還る場所のすぐ近く。冥府と言われる場所」だと。冥府は天国にも地獄にも行けず留まってしまった魂がたどり着く場所。この場所で生きる住人は、生前、何かしらの未練を抱えたまま亡くなってしまい、成仏できずに留まってしまった元人間達ばかり。そして、今現在この冥府に立つあなたも生前に未練を残して死んでしまった元人間なのだと教えてくれます。自分が既に死んでしまった人間で、なにかしらの未練を抱えているという事実に驚くヒロイン。しかしそもそも自分にはその生前の記憶や名前すらわからないのだ。そんな事実を知ってもどうすればと悩むヒロインにフクロウは言葉をつづける。この冥府には人の魂を奪い取る神「死神」を養成する学校があるのだと。君には死神になる適用性を持っている、君もそこの生徒にならないかと。フクロウは実はその学園の校長にあたるのだとか。
そしてこの冥府で生きていくために彼女に「ココロ」という名前を与えてくれる。自分が何者かすらわからないココロは、しかし自分に名前をくれた優しいフクロウの為に、その学校の生徒として一人前の死神になることを目指してみようと決心するのでした。
しかし生徒になってから一か月。彼女は「落ちこぼれ」のレッテルが張られるほど、何をやってもうまくいきませんでした。死神は2人一組でパートナーを組んで活動する決まりがあります。しかしやることなすこと全てうまくいかない落ちこぼれのココロは、誰にもパートナーとして選んで貰えず、ついには落ちこぼれ達を集めた「特別補習授業」を受ける事に。補習に参加する他の死神候補生たちは皆様々な理由を抱えたクセのある男の子達ばかり。そこで出会った彼らと段々絆を深めながら、やがてその中の一人とパートナーを組み、一人前の死神になる事を目指すのだけれど―――。





シュン


口が悪く、ちょっとしたことでも怒ってしまう程、気が短い。だが、気心が知れた相手には、優しさを見せてくれる。死神になる事にあまり興味がなく、授業をサボってばかりいたため、特別補習に参加する事に。けれど、そこでの授業もサボりがちで、目を離すとすぐにどこかへ行ってしまう。


シュンは態度も悪けりゃ口も悪い、素行不良な男の子です。特別補習授業に参加することになったココロに対しても、最初はそっけない態度を取ります。ココロは、落ちこぼれのレッテルのせいで、張れ者扱いされて学園に友達がいません。特別補習メンバーと少しでも仲良くなれるよう、友達になりたいと一生懸命交流を持とうとするのですが、誰もココロに対してあまりいい態度をとってくれません。その中でも、シュンはココロに絡まれることを非常に鬱陶しがっており、ココロが一生懸命話しかけてもロクに話を聞いてくれないし、それどころか暗い夜道を一人置いて帰るなど女扱いもしてくれません。そんな彼に突き放されながらも、それでもシュンくんと友達になりたいの!と懸命に手を伸ばしてまっすぐに向き合っていくココロに段々絆されていくまでを描いたのが共通になります。もうここら辺のココロちゃんは非常に健気でいじらしく、しかしまっすぐな純粋さがあまりに可愛くって、真正面からあなたと友達になりたい!あなたと仲良くなりたい!あなたをもっと知りたい!と伝えてこられりゃそりゃ誰だって落ちますよね。私はもうこの時点でココロちゃんにメロメロでした。凄く可愛い。女子力はないけど、天真爛漫でまっすぐに純粋な好意が可愛くないわけないですよね。まわりが段々ココロちゃんに絆されていく様子がニヤニヤしつつ、心温まるシナリオで共通から凄く凄く楽しかったです。
そんな絆を深めて「友達」になった共通から、シュンとパートナーを組むことになり個別が始まるのですが、パートナーを組んだからといってシュンは素直に協力してくれることはありません。シュンはもともと校長先生に誘われて死神養成学校の生徒としていますが、本人は死神になる気が全くないんですよね。むしろ死神というものにあまりいい印象がない様子。なので、死神のことを学ぶ授業には興味がないし、死神として学校を卒業する気もないので、補習にはでないとサボり続けます。しかし死神は二人一組のパートナーが絶対の決まり。パートナーが卒業できないと、会い方も卒業できない仕組みです。彼のパートナーになったココロは彼に補習を一緒に受けようと誘いますが、逃げられる一方。共通でもこの二人は友達になろう!関わるな!の追いかけ合いをしていましたが、個別に入ってもそれは変わらず、逃げるシュンになためげずにシュンと共に死神になりたい!シュンと一緒に勉強したい!とまっすぐに向かっていきます。相変わらずココロちゃんは健気で、シュンが補習をサボれば連帯責任として、ココロちゃんにも山のように課題を追加されるペナルティがついているにも関わらず、シュンには一切文句を言わず、むしろ何故シュンがそこまで授業を嫌がるのか、シュンが何故死神になりたくないのか、シュンを気にかけて、もっとシュンの事を知りたいと追いかけていきます。そんなココロに段々絆され、少しずつシュンが抱えている問題、生前の記憶を話してくれるようになるのですが。そもそもこの冥府に住んでいる子達は皆生前に未練を残して死んだ子達ばかりです。何かしらの事情を抱えた子達が多く、その過去を探る事は冥府ではマナー違反とされているほどです。シュンもそれは同じで、あまりいい過去を持っていません。生前は母子家庭で学校にすらまともに通えていない状態だったのだとか。その為学校生活というものがそもそもよく分からないというシュン。そんなシュンに「それなら生前にできなかったことを今楽しもう!私と一緒にこの学校生活を楽しもう!」と提案し手を差し伸べるココロ。そんな純粋にシュンを思い遣りまっすぐ手をのばす彼女に少しずつ救われ、彼女のいう通りこいつと一緒に学校生活を謳歌してみるのもいいかもしれないなと、思い出すシュン。そこからは授業もサボらず、彼女と共に学校生活を楽しもうと向き合っていきます。
ここからの学校生活の描写はさすがハニビだなと感じるもので、学生さんあるあるというか。凄く青春しててきゅんきゅん眩しいものでしたね。痒いところに手が届くシナリオというか、学園ものなら見てみたいよね!という王道展開がちゃんとあり、ニヤニヤきゅんきゅんしました!シュンは見るからに不良で素行も悪いので周りからは誤解され、孤立しがちです。そんな彼が段々周りに人が集まっていくようになるまでのあったかいシナリオが身に染みるやさしさで、読んでて楽しかったですね。そんななかで段々、シュンもココロの支えになりたい、ココロになにかしてやりたいと想うようになっていき、ココロちゃんもシュンの良さをもっと周りに知って欲しい、シュンに笑ってて欲しいと想いを強くしていっていき、もう早くお前らくっつけよ!!!!!と思わずにはいられないほど、二人ともお似合いで、周りから公認の仲になってましたね。可愛いにニヤニヤ出来るカップルで最高でした。
後半からは死神として人の魂を扱うという重みや、シュンの生前の未練、辛い過去に向き合っていくシナリオになっていき、ここからは常に切なく心が締め付けられる展開が待っています。成仏できない未練なので、やはりシュンの過去は悲しく可哀想なものです。そんな過去と向き合い、乗り越える話があまりに切なく儚い、でも優しい暖かな話で、ウルっとくるものがありましたね。家族ネタ弱いのでグッときました。まぁそこで転生EDと死神EDに分かれますが、転生EDは一つの物語として優しい物語で終わってましたね。個人的に死神EDの方が甘くって好きでした。アフターシナリオがある感じ、死神EDの方が正規EDなんでしょうかね?二周するとポイントオブビューが追加されるのよかったですね!ハニビといえば彼視点が入るのが、好きなので周回で追加されてたの嬉しかったです。
また死神アフターがまたよくってですね!一時間の後日談ということでほんとしっかりSSがあってよかったです!結ばれた二人のその後の優しい物語で、シュンの成長とか凄く感じるシナリオになっててよかったです!弱さを抱えた学生時代のシュンから本当にとても男前になったな~~としみじみ。あとおまけのインタビューもにやにやできてよかったです!にやきゅんできる可愛いカップルでとっても楽しかったです!


ヨル


無愛想で、生真面目な性格。前のパートナーとうまくいかず、卒業試験前日にパートナーに逃げられ、浪人してしまった。そのため特別補習を受ける事になった、幸薄い青年。冷たそうに見えるが、根は世話焼きで、よく補習メンバー達の手助けをしている。


ヨルはクールで生真面目な堅物苦労人。無愛想だが面倒見が非常によく、特別補習組のお母さん兼お父さん的立ち位置です。特別補習組の生徒ではありますが、実は非常に頭がよく学年トップの成績です。しかし前のパートナーとそりが合わず、卒業試験前にパートナーに逃げられ、試験を受けれなかったため浪人し、特別補習組に入ることになりました。面倒見もよく、何に対しても努力を惜しまない、いい子です。そんなヨルとの恋愛ですが、実は共通の間のヨルはココロになにかと冷たいです。冷たいというか、どこかピリピリしているというか。そもそも初めて顔を合わせたときからヨルはココロの事を知っている様子なんですよね。「ずっと探していたのに、いままでどこにいたんだ!?なにをしていた!?」と詰め寄ってきたのがファーストコンタクトでした。しかしココロは生前の記憶が全くないので、ヨルの事はちっともわかりません。そんなココロの態度がヨルからしたら素っ気ない態度に見えたんでしょうね。冷たくピリピリした態度をとるヨルに、嫌われてるんじゃないかと不安におもい様子を伺うココロ。そんなココロに対してヨルは「いつまで他人のフリをするんだ」と怒ります。そこで初めてヨルが自分を誰か別の人と勘違いしているんだと気付きます。
ヨルはずっと探している人がいるそうなんです。それの人がココロとそっくりなんだとか。しかし記憶もないココロはヨルの事も身に覚えはなく、自分は生前の記憶もないし、おそらく別人だと彼に説明します。その説明を聞いて、ヨルはココロと探し人が別人なのかと一応納得してくれるように。そこからはピリついた冷たい態度を軟化させ、少しずつ普通に接してくれるようになります。しかし時折思うところがあるのか、ココロの事をもの言いたげに見ている。そんな微妙に距離のある関係のまま共通が終わり、ヨルとココロがパートナーに選ばれ個別に入っていきます。
個別に入るとココロはまずヨルとパートナーになれた事を喜びます。ヨルは面倒見もよく、物知りで頼りになります。そんなヨルとパートナーになれたのだから心強いと素直にヨルにパートナーになれて嬉しいと喜びを伝えます。しかしヨルはどこかぎこちない態度。共通の間が誤解がありつつも説明し、普通に接してくれるようになっていたのに、パートナーになってからはまたヨルがどこか素っ気ないというか、ココロをどこか避けているような態度を取るようになります。そんなヨルの態度に違和感を覚え、もしかして自分がヨルと比べて落ちこぼれの中の落ちこぼれだから、パートナーになったことをがっかりしているのではないかと不安に思い出すココロ。ヨルは特別補習組といえど優等生です。そんなヨルに特別落ちこぼれの自分が釣り合うはずがない!と。自分はヨルとパートナーになれて嬉しいと浮かれていたが、ヨルは自分とは嫌だったんじゃないかと思い出したココロは、少しでもヨルに釣り合うパートナーになろうと、夏休みも全部部屋にこもって勉強に打ち込もうと頑張ります。ここら辺のココロちゃんは愚かですがいじらしくって凄く可愛かったですね。ヨルや他のメンバーにも内緒で、皆と遊びたい、仲良くなりたいという気持ちを我慢して、勉強を頑張るところ。しかしココロちゃんめちゃくちゃアホな子というか頭が悪いので全然勉強も進まなく、頑張れば頑張るほど自分の不出来さを実感してどんどん自信をなくしていき、勝手に脳内でそんな自分に嫌悪し呆れるヨルを想像してまたへこむくを繰り返す様子。なんとも健気で可愛かったです。全力で空回りしながら頑張って無理をしてしまうココロちゃん。そんなココロちゃんの様子が段々おかしいと周りも気付きだします。
最終的にはヨルに内緒で勉強をずっと頑張っていたことがバレてしまうのですが、ヨルに出来ない奴だと呆れられると思い込んでたココロちゃんは、ヨルが無理をしたことには呆れながらも、決してココロちゃんの努力は馬鹿にせず、ココロちゃん自身を受け入れてくれたことに驚きます。別にヨルはココロちゃんがパートナーになったことは嫌だったわけじゃないと。態度が素っ気なくなっていたのは別の理由で、ココロちゃんが嫌いだからではないと説明され、誤解だったんだと安心したココロちゃんは今までの不安からの反動からわんわん泣きだしちゃいます。突然大泣きするココロちゃんに動揺し慰めながらも、自分の態度に非があったことを反省するヨル。ヨルは別の理由でココロちゃんを避けていたんですが、それがここまで泣かすほどココロちゃんを追い詰めていたんだと後悔します。
このすれ違いが解けたあとからは、ヨルも態度を改めてココロちゃんを避けるのをやめますし、ココロちゃんも一人で溜め込まず、ヨルを頼ることを約束します。ここからのココロちゃんは、初めにヨルに嫌われているかもという不安がずっとあった反動からかヨルから少しでも構われたり、優しくされると大喜びで、ヨルー!ヨルー!ヨル―!とヨルのことどんどん大好きになっていきますね。ヨルも元々面倒見のいい世話焼きなので、素直に懐いてくるココロちゃんを少なからず想っているというか、可愛がっているというか。とにかくココロちゃんはヨルにべったりになっていき、凄く恋する乙女になっていきますね。ヨルは落ちこぼれクラスといえど容姿端麗で頭脳明晰なので、女子生徒からも人気が高いです。女の子からきゃーきゃーいわれるヨルに、ヨルが他の子に取られるんじゃとヤキモチ焼いたり、そんなヨルを自分のものと思うみたいな身勝手な考えに自己嫌悪したり。ココロちゃん、恋に悩みます。この√のココロちゃんはほんと恋に悩む乙女でしたね。ヨルはヨルで色々事情があるのか、ココロちゃんにはいえないけど悩んでいる様子ですし。ココロちゃんは気付いてないけど、ヨルも男子と仲良くしてるココロちゃんにヤキモチ焼いてるのがニヤニヤしちゃいましたね。
まぁそんなすれ違いも挟みつつも、先ほども言いました「恋に悩む」のがこのルートの全体的なテーマになっていきます。この作品、どのルートでも最終的には卒業試験として、実際に現世へ赴き、死神として魂を狩る務めを果たさなくちゃいけなくなります。そしてその魂を狩るターゲットになる相手が大体、攻略対象の生前で深い関わりのある人物になってくるんですが、このルートで関わってくる人物も含めて「恋心」が大きなテーマになっていきます。少女漫画らしいテーマではあるんですけど、正直この√の物語はターゲットの人物に同情してしまうというか難しいところですが、少し可哀想だなと感じましたね。勿論ココロちゃん達も同じように哀しみを抱くんですが。ううん、なんともいえない複雑な気持ちになりました。少女漫画の三角関係はしんどい。しかしやっぱき作品自体が優しく儚いシナリオなので、じーんとくるお話でしたね。
ところでヨルはキススチルニ枚もあって羨ましいなと思いました。まだくっついてない、片想いの相手に寝ている間にするとかむっつりだなと。あと死神アフターは凄く甘くってですね。しかしパートナーと恋人としての距離感で悩みお預けくらうヨルは不憫で可愛かったです。


カイリ


どんな相手にも分け隔てなく接する、明るく優しい好青年。しかし、自分に不都合なことは笑顔で強引にねじ伏せてしまうといった面もある。その強気なマイペースさで、個性派揃いの落ちこぼれメンバー達をまとめている。頭の回転が早く、成績優秀。なぜ特別補習組に落とされたのか詳細は謎。


人当たりもよけりゃ面倒みもいい明るい好青年。好奇心旺盛で、少々強引とも思えるような強気なマイペースさで、周りを引っ張っていくリーダー気質。人望も厚く、遠巻きにされがちな落ちこぼれクラスの特別補習組にいながら、他のクラスの友人も多い。そんなカイリは共通の間は、ココロに冷たい他の補習組と違って、唯一ココロに優しく普通に接してくれる子でしたね。皆と仲良くなりたいというココロの提案にも協力的で。しかしとりわけ優しいというわけでもないので、過干渉すぎないというか。基本的には頑張るココロを見守りつつ、そんな共通からしかし時折「お前は素直過ぎてみていて心配になる」なんて世話を焼いてくれる面倒見の良さにときめきつつ。男友達的な距離感で接してくれます。
そんな共通からパートナーを組むことになって個別にはいりますが、個別にはいるとまず悪戯好きであっちこっちに悪戯をして周囲を困らせるカイリをひたすら追いかけるところから始まります。カイリは学園中に花火を仕込んだり、激辛チップを人のお弁当に仕込んだりと、悪戯を仕掛けるのが大好きです。それは仲のいい友達へのスキンシップがてらだったり、気に食わない嫌味な先生への仕返しだったり。とにかく人騒がせな悪戯をするのですが、その悪戯は周りを明るくさせるものが多いんですよね。室内で危なくないように火薬を調節した花火を打ち上げて皆で観賞したり、嫌味な先生に仕返ししてる様子を見た周りがスッとした!と喜んだり。はちゃめちゃで人騒がせですが、憎めない悪戯というか。周りを楽しませて明るくさせるところがカイリが人望厚く、リーダー気質で人気者な理由なんでしょう。ココロもそんなカイリに振り回されつつも、明るい気持ちを彼に教えてもらう事になります。
ココロは落ちこぼれのレッテルで友達がいない時期が長かったため、何処か自分に自信がないというか。基本的には明るく周りを笑顔にする優しい子なのですが自己評価が低いんですよね。勉強もできない、友達も出来ない。好奇心旺盛で明るく周りを引っ張っていくカイリと比べて自分はダメだなあと考える事が時々あります。そんなココロの様子に、ココロにもっと自分に自信を持ってほしいと思うようになるカイリ。
そこで出てくるのがミスコンです!死神を養成する学校といえど、学園生活なので文化祭がこの学校にもあります。そこで開催されるミスコンにカイリはココロを半ば強引に参加させちゃうんですよね。お前なら絶対優勝できる!っていって。他の補習組にも全員に協力させて、ミスコン優勝計画を立てます。ココロちゃんは女子力皆無でショートヘアーのちんちくりん。色気より食い気なやんちゃな女の子です。そんな子が、美人ばかりが参加するミスコンにエントリーすることになるんですから、ココロちゃん本人もそりゃあめちゃくちゃ嫌がります。しかしあれよあれよと話を進める周りに有無を言わされぬ形でミスコンにむけて猛特訓をすることに。この展開は王道ですがやっぱりニヤニヤしてみちゃいましたね!ココロちゃんみたいな女子力低い子が可愛いお姫様になるまで磨き上げられる展開はやはり見たいもの!周りを驚かせるほど、化けるココロちゃんは見てて楽しかったです!美人ばかりの参加者と比べて思わず不安になる劣等感とか、自分の特訓は他の補習組に任せて他の可愛い女の子と一緒にいるカイリの姿を見たりしてもやもやしたり、ミスコン期間中の思い悩むココロちゃんがいじらしくてですね。どんどん不安になるココロちゃんとすれ違うカイリの反応がほんと良くってこのミスコンのくだりずっとニヤニヤしちゃいましたね。そしてなによりどんなに不安になろうが「お前なら優勝できる」「お前は可愛い」「一番可愛い女の子だ」ってストレートに想いをぶつけてくるカイリがほんとうもうまさに王子様すぎてきゃああきゃああときめきましたね。真正面から「お前は可愛い」なんていわれてときめかないはずがないです。
それはココロちゃんも同じで、このミスコンを通してココロちゃんもカイリの事を段々意識していくようになります。しかしカイリは本当ずっと余裕というか。ストレートに可愛いと思えば可愛いっていうし、周りにちゃかされても動じないし、むしろ周りに茶化されてあたふたするココロちゃんの反応みて「かわいいやつ」なんて思ってるあたりが、ほんとなんというかあまりにかっこよくってときめきました。カイリの恋愛面はときめく事多かったですね。王子様です。
まぁそんなミスコン編が終わり、後半にかけてはカイリの抱えている問題や生前の未練について向き合っていく事になるんですが。ここから発覚していくカイリの根っ子の闇の部分が本当しんどくってですね。前半のカイリはまさに””光属性””って言わんばかりの明るさなんですよ。周りを笑顔にして、自信を持って引っ張っていってくれる。カイリの優しさにココロちゃんも救われます。まさに太陽みたいに明るく、向日葵が似合うような男の子。そんな印象が前半でつくので、後半から見えてくるカイリの闇のギャップが凄くってですね。なんというか、彼もやっぱり”死神”の候補生なんだなと。カイリの抱えてる根っ子のほの暗いものとか、原因となった生い立ちとか。色々わかってくるとどんどん辛くなりましたね。生前のカイリの生い立ちはやはり悲惨なものです。今までの明るい印象が嘘だったかのように、抱えてる過去が重いです。平気なフリしてその悲しさや重さを笑顔で隠すキャラ本当に弱いのでカイリ凄く凄く刺さりましたね。アフターシナリオでもその片鱗は描かれてるんですが、カイリって周りを明るく照らす太陽みたいな凄い子なんです。けど根っ子は自己否定的というか。最終的には自分を否定する答えに行きつく子だなと感じます。生い立ち含め、彼はずっと被害者なのに。自分を顧みず、誰かを想って自分を否定する感じが本当いじらしくってですね。もっともっと手放しに幸せになっていいんだよって気持ちになります。生前の未練を自覚する瞬間とかあまりに刺さり過ぎて。
カイリとココロはお互い似てるなって感じますね。どちらも相手を思い遣って、明るくしてくれる優しさを持ってる。でも自分自身はその魅力に気付いてないというか。前半はカイリがココロの手を引いてあげてたのに、いつのまにかココロがカイリの手を引いて心を救ってあげるシナリオになってたのには感動しました。この二人は圧倒的に””運命””カプだなぁと。リバソン自体運命カプが基本の作品なんですけど、カイリとココロが圧倒的に運命力強すぎて、さすがメインヒーロ―ってなりましたね。永遠に幸せでいてほしいとも思うし、太陽と向日葵に囲まれてて欲しいとも思います。関係性があまりに良すぎてカイココちゃんには末永く沢山の幸せに囲まれていてほしいです。カイリは本当に手放しで幸せになっていい。なって!!!お幸せに!!!!!!!!!

Re:BIRTHDAY SONG総合感想


honeybee制作、”死神彼氏シリーズ” 死後の世界で恋を唄うADV。



Re:BIRTHDAY SONG ~恋を唄う死神~ another record



ヒロイン含め登場人物は皆未練を抱えたまま死んでしまった元人間。死後の世界にある「死神」を養成する学校に通いながら、生前の未練と”死”の意味に向き合っていく、儚く優しい物語です





その歌は死神が捧げる、レクイエム――


天国と地獄の境目、人の魂が還る場所のすぐ近く。そこには人の魂を奪い取る神様、「死神」を養成する学校がありました。


死神候補生として学校に集められた、元人間である主人公達。そこでは、同じ死神を目指す候補生とそれぞれペアを組み、一人前の死神になるための勉強をしなければならないのですが…。


やることなすこと全てうまくいかず、誰からもパートナーとして選ばれなかった主人公ココロは、落ちこぼれ達を集めた特別補習授業を受けることに。補習に参加している他の死神候補生達は、様々な事情を抱えてこの学校にやってきた、クセのある男の子達ばかり。彼らの中から1人と、ペアを組むことになるのだけれど。


パートナーと共に、一人前の死神になることは出来るのでしょうか?それとも…。


落ちこぼれ死神候補生達が紡ぐ、たったひとつの恋の物語。


公式サイトより)


プレイ時間


共通:3時間
個別:5~6時間(死神アフター:1時間)


落ちこぼれの生徒が集まる特別補習組。そこに参加する死神候補生達は様々な事情を抱えるクセのある男の子たちばかり。素っ気なくバラバラでまとまりのない彼らと仲良くなるため、懸命に頑張るのが共通の物語になります。ハニビらしい、一つの物事を通して一致団結していく青春劇でした。共通から心温まるシナリオです。


個別からは攻略対象の中から1人とパートナーを組み、死神として”死”と向き合っていくシナリオになります。その中で、生前の未練や、”死”の意味、心の成長が描かれていきます。”死”がテーマの物語なので、作中は常に切なく儚い雰囲気がありますが、全体的に優しく暖かい物語です。勿論、死神養成学校が舞台なので、学生ならではの青春なども描かれています。学園青春モノはさすがのハニビといったシナリオですね。



選択肢/ED

選択肢

選択肢は基本二択(アイキャッチ無し)


攻略対象を想う選択肢か、死神としての選択肢かの二択な気がしました。攻略対象に寄り添えば、転生ED。死神として志せば、死神ED。といった感じですね。


ED

EDは転生ED、死神ED、BADの全三種+共通BAD。


転生EDも死神EDもどちらもハッピーEDです。


転生EDは生前の未練と向き合い、再び巡りあって想いが果たされるEDです。皆生前は辛い過去ばかりなので、それと向き合い果たされるEDは感動的ですね。
死神EDは永遠ともいえる死後の世界で、ともに支え合い二人で生きていこうというEDです。こちらには死神アフターという名の後日談があるので、こちらが正規EDっぽいですかね。二周目をプレイすると彼視点が追加されるシステムなので、


転生ED→BAD→死神ED→死神アフターで回収するのがおすすめです。


システム/サウンド/グラフィック

システム

いつものハニービーさんなので特筆する事ないです。しいていうならクイックセーブが自動で行われるのが、セーブしそこね防止になってよかったかな。ほぼ今回はクイックセーブ&ロード使わなかったんですが。二周目に彼視点追加されるシステムは周回する楽しさがあってよかったですね。幕間のアイキャッチの絵も相変わらず綺麗で好きです。


サウンド

優しく切ない綺麗な音が多かったですね。この音楽の優しさもハニビらしいなと感じます。素敵なものが多いので、ほんとサウンド一覧が欲しいです。


グラフィック

死後の世界とはいえ、ほぼ現世と変わりない作りになっているので普通の町中みたいな背景も多かったですね。背景グラ結構種類あったと思います。とはいえ飾りつけされた部屋と描写されながらいつもの部屋だったり、お祭りといいながら普通の街だったり。イベントに対応した背景はなかったのでそこは少し寂しかったですね。あと死神アフターでそれぞれのパートナーと同棲する事になりますが、その時の部屋が全面イメージカラー一色で染まってたのが笑いました。全面黄色とか赤色の壁の部屋とか落ち着かなそうだなとw
さといさんの絵がとても綺麗でときめきましたね。あわくて優しい色合い素敵ですし、顔が美人でときめきます。美人な顔が好き。キャラによってはキススチルがないの寂しかったんですが、この作品の前にプレイした作品はそもそもキスシーンすらなかったので、まぁキスが沢山あるだけ満足でしたね。


シナリオ

”死神”や”死後の世界”、”死”がテーマになっている物語なので重たく暗いシナリオを少し想像していましたが、全体的にそんなことなく暖かく優しいシナリオでした。一度死を体験し、”死”に一番近く理解がある死神だからこそ送り出せる”死”を描いていた気がします。この作品では”死”は恐ろしく、恐怖を抱くものばかりじゃない。死は”終わり”ではなく、次の人生への”はじまり”だと前向きな見方になるような描き方でした。もちろん、そこに伴う寂しさや孤独などの葛藤も描かれます。そんな辛さに寄り添い、次の人生を頑張って、いってらっしゃいと見送るような。鎮魂歌という名のエールソングのような印象でしたね。
ヒロインであるココロも、死神を目指しているという肩書にも関わらず、天真爛漫で明るく、色んな人の心を優しく暖かに包み込む姿は死神というよりは天使のような印象でした。明るく純粋な彼女だからこその死神のあり方が描かれてましたね。また死神養成学校が舞台なので、ちゃんと学園青春劇が描かれてたのもよかったです。
個別前半は特に学園生活の描写がメインで、死後の世界といえど若くして死んでしまった子達ばかり。生い立ち含めて未熟な心のままの子達ばかりなので、学園生活を通して少しずつ成長していく描写はさすがハニビだと感じました。相変わらず丁寧な心理描写で、恋愛過程もどれも自然できゅんきゅんしましたね。抱えている過去が皆重たく悲しいものばかりで、そこに向き合うシナリオ、”死”と対面するシナリオは凄く辛いです。しかしココロと過ごすことで救われていく想いだったり、ココロが躓いたときに引っ張っていってあげる頼もしさだったり。どの攻略対象ともお互いが支え合うとても素敵な関係性になっていたので、どのCPも捨てがたく、どの子にもココロが必要だと感じました。ココロを五等分したいです。ココロが足りない。
話の作り、流れは基本的に決まっているので人によれば金太郎飴感を感じてしまうかもしれません。個人的にはそれぞれの抱えている過去が明らかになっていく楽しさや、そこにどうココロが関わってくるのかが気になって飽きずにどんどんプレイできましたね。
恋愛面も、シナリオ面も安心安定のハニビらしい面白い作品でした。身に染みるやさしさなので、重たい作品を繰り返して疲れたときには凄く凄く癒されます。それでいてしっかり面白い話なので、優秀ですね。ハニービーさんのファンになる一方です。



キャラについて


ココロ

元気で負けず嫌い、天真爛漫な死神候補生
本作ヒロイン。天真爛漫で明るいやんちゃな女の子。あほの子で少し幼過ぎる部分もあるので、好みが分かれそうですが、自分の行いを反省したり向き合ったりする姿勢は好感もてますし、何より闇を抱えた男の子たちの心を救う描写はやはりココロちゃん天使だなぁと感じるばかりでした。勿論どこまでも前向きかといえばそうでもなく、逃げたり、いや!と拒絶したり、後ろ向きに考え少し思慮が足りない部分もあるので、もやもやもさせられた子ではあるんですが。でも人の心を救える子なので、好きですね。男の子に見えるくらいショートカットヒロイン珍しいので見てて可愛かったですね。女子力が低く、料理も裁縫も勉強も他の攻略対象の男の子より劣るのは、乙女ゲームのヒロインとしては珍しい方ですね。そんな子が女の子とて磨かれたり、お姫様になったりしていくのは凄く楽しかったです。全員にココロが必要だと思うので五等分してください。



カイリ

強気で好奇心旺盛な、特別補習組のリーダー
す”ッ”ッ”っ”き”ぃ”!!!いやもうほんと大好きですね。カイリはココロ同様、死神らしからぬ圧倒的な光属性な死神ですが、その反面に抱えている闇が深すぎて陰陽のギャップに凄くやられましたね。周りを引っ張っていく明るさに反した、自分を顧みない脆さというか弱さが刺さりまくりました。もう全力で幸せになって欲しいですし、なにも考えずに幸せになっていいんだと何度も教えてあげたくなる子でしたね。彼とココロは運命力強すぎるので、結ばれるべくして結ばれたと思います。恋愛面で余裕そうなところがたまんないですね。他ルートだとサポーターとして素晴らしいですし、本当大好きです。



ヨル

クールになりきれない、不器用な青年
顔面がかっこいい。ヨルが一番王道少女漫画らしいシナリオだったなと思いますし、生い立ちは他の子と比べると平和なものなんですよ。しかしすれ違い拗れてうまくいかない部分がヨルの不器用らしさがでていたと感じます。一番キスしてたし、一番恋愛してた気がする。ヨルはカイリの死神アフターで頭抱えるほど好感度上がりましたね。いい奴、、。皆の世話を焼くお母さん兼お父さん、そして頼りになるお兄さん的な立ち位置にある印象が強かったので、転生EDの時に見えた泣きそうな声で縋る一面が、彼のココロへの想いの強さを感じてすきでした。お幸せにな~~!



アメ

年下だけど誰よりも頼れる、知識豊かな少年
一番おだやかで優しいシナリオ。恋愛面というより、この作品に置ける”死”の意味だったり、心の繋がりだったりを改めて考えるお話だったなと感じますね。ナミルートの伏線が多くてアメに集中出来なかったのがもったいなかったですが、アメ自身は凄く魅力的でしたし、”死”をテーマに扱う作品としても大切なルートだったと感じます。アメの生い立ちも真面目に考えるとめちゃくちゃ悲しいものなんですよね。重く暗く描写しすぎていないので、切ない儚い印象の方が強いですが。普通に悲しすぎる生い立ちなので、沢山幸せになってねと感じます。



シュン

ガラが悪くてちょっぴり怖い?ぶっきらぼうな男の子
ニヤニヤきゅんきゅん枠。癒しカップルでしたね。シュンの生い立ちはリアルにありそうなのが辛かったです。家族ネタ弱いのでウルッとしましたね。彼も辛い生い立ちなので、めい一杯幸せになって欲しい。ルート全体でみると彼の心の弱さが目立つシナリオでもありましたが、そこを乗り越えて成長した死神アフターは凄く感慨深いものがありましたね。シュンは本当に男前に成長したと感じます。ココロちゃんと何気にいい関係性のカップルなので、他の攻略対象皆と一緒にずっとニヤニヤ見守ってあげたい二人です。可愛い。



ナミ

いつもダラダラ、やる気のない死神の先生
はあああ、、、すき。結局ハニビの闇を抱えた男に弱いんですよね。拗らせクソデカ感情執着ヤンデレですけど、放っておけない危なっかしさがあるというか。壊れた姿が痛々しくって愛おしいんですよ。庇護欲ぎゅうぎゅうに握られてダメでした。この√結構ココロにもやもやしたり辛くなったりしたシナリオでしたが、最終的に行きつく関係性があまりに素敵すぎて大好きになってしまいましたね。転生も死神もどちらのEDも素的だと思いました。ココロは本当に良く乗り切ったと思いますし、ナミ先生は本当壊れてしまうほど辛く悲しい傷をずっと背負ってきたと思いますので、沢山沢山ココロと幸せになって欲しいですね。全力で幸せになって~~~!!!!!!



最後に

凄く凄く安定して面白い作品でした!”死”というテーマでありながら暗くなり過ぎず、でも決して軽くなり過ぎない。心に染みるお話で、プレイしたあとの読後感がとてもいいです。リバソン内でアバソンの伏線が沢山あったので、そのうちアバソンの方もプレイしたいと思います。ありがとう!!



推しランク 


カイリ=ナミ>シュン>アメ=ヨル


いやでもめちゃくちゃ皆いい子で全員大好きです、全員幸せになってほしいし、全員にココロをあげたい。その中でカイリとナミ先生は放っておけないセンサー殴ったので、この二人が推しですね。皆幸せになって!!!