(ぬ)乙女ゲーム感想保管庫。

乙女ゲームの感想日記。

ひめひびAWB総合感想


TAKUYO制作、学園恋愛アドベンチャー



ひめひび Another Princess Days 
~ White or Black ~


男子校の中に、たった一人のプリンセスとして奮闘する乙女の夢をつめた作品、ひめひびシリーズ。今作は従来のシリーズから一新し、舞台も超セレブのみが通えるとされる学園へと変更。光と闇、両方の側面を描く"新しい"ひめひびとして制作されました。
TAKUYOさんといえば光のTAKUYO、闇のTAKUYOと作品で雰囲気がガラッと分かる印象ゆえ、好みが同社制作内でも分かれるイメージでしたが、今作はどちらのユーザーも楽しめるバランスのいい作品だったなと思いました!個人的に白鳥ユアンさんがライターにいる時点で楽しみで楽しみで仕方ありませんでしたね!!




あなたのお好みは White or Black?


皇学園。
外部との接触を一切行わず俗世から隔離された場所にあり、
超富裕層の子息が集う格式高い男子校。
世間の人々は皆、その学園の生徒達を"皇プリンス"と称えています。


学園では毎年、創立記念日である2月14日に向けて行われる催しに、
たった一人だけ外部からの人間を招待します。


今年その招待を受けることになったのは、悲しい生い立ちにも負けず明るく前向きに育った17歳の女子校生。
招待状は一輪のユリの花でした。


催しの為に特別にデザインされたという皇学園の女性用の制服を着用し、
胸を躍らせながら学園を訪れた彼女は、パーティー会場のような大きなホールで
大勢の皇プリンス達に温かな拍手で迎えられます。


絶世の美青年と謳われ、名実ともに皇プリンスのトップである"キング"皇千晴と共に壇上に並び立ち、その拍手に包まれているとまるでおとぎ話のプリンセスにでもなったかのよう。
しかしそんな夢心地でいた彼女に微笑んで見せたキングの口から、思いもよらぬ言葉が飛び出します。


「それでは本日から"共学推進プロジェクト”の副リーダーとしてよろしくね?」


創立記念の催しへの招待を受けただけのつもりが一転、
彼女は今日この時から皇学園の共学推進プロジェクトの中核を担う為、
学園初となる本物の"プリンセス"として生活することになってしまったのです。


生徒も教員も職員も男性しかいない歴史が続くこの学園で、共学化がすんなり受け入れられるとは思えません。
果たしてプリンセスを待ち受けるのは、プリンスとの甘い恋?それとも――



公式サイトより)


プレイ時間


共通:4時間
個別:5~6時間(千晴のみ6~7時間)



創立記念フェスティバルの招待状である白いユリ。214万本の中からたった1本の奇跡をつかみ取ったヒロイン、如月笑深ちゃんが皇学園へ訪れたところ、あれよあれよと学園の共学推進プロジェクトに参加させられ、プリンセスとして学園生活をおくることに。俗世から隔離された学園はどこもかしこもおとぎ話の様。学園の独自ルールや癖が強すぎる攻略対象達の人と成りを知りつつ、共学化にむけて賛成派を増やす為、来たる創立記念日にヴァレンタインフェスティバルを企画しようというところまでを描いたのが共通になります。
なかなかにブッとんだ学園なので最初はひたすら異様な学園に圧倒されるばかりでしたね。ツッコミが追いつかない描写ばかりで終始笑いっぱなしでした。TAKUYOさんのギャグノリ大好きです。


個別からはヴァレフェスに向けて、どの催しを行うかでサポートについてくれる人が変わり、特定の一人と仲を深めていく事になります。中盤からはホワイトリリィ、ピュアEDなどのハッピーED寄りへ向かう白百合√。ブラックリリィ、スキャンダルEDなどのBAD寄りに向かう黒百合√の二つに分岐していきます。
個別一周するだけなら4時間程度で回収可能なんですが、この分岐してからがいずれもそこそこボリュームがあるので、話自体は短めの作品ですが読み応えはあった印象ですね。



選択肢/ED

選択肢

選択肢は基本二択(愛キャッチ有)
本作では好感度の他に、プリンセスとしての正しい振る舞いを求められるプリンセス度が存在します。好感度、プリンセス度の数値により4つのEDに分岐していくことになります。好感度はハート、プリンセス度はキラキラ、好感度+プリンセス度両方があがる選択の場合はハートとキラキラのエフェクトがかかります。また同じエフェクトでも数値の上がり方が違うパターンもあるので、小まめにデータベースの確認をするのまおすすめです。選択肢も単純に2択をせまるだけでなく、遊び心や√の構成のひとつになっているものなどあり、楽しかったですね。一角√とかの選択肢は結構変わり種ですし、夢慈√の選択肢はエフェクトに頼れない難しさとかもありましたね。


ED

EDはホワイトリリィ、ピュア、スキャンダル、ブラックリリィの全4種。


ED分岐条件
ホワイトリリィ(好感度:高、プリンセス度:高)
ピュア    (好感度:低、プリンセス度:高)
スキャンダル (好感度:低、プリンセス度:低)
ブラックリリィ(好感度:高、プリンセス度:低)


ホワイトリリィEDは攻略対象とも結ばれ、学園も共学化に成功し、末永く共にいられるベストハッピーEDですね。どのルートも純愛度が高く、温かく幸せな終わり方でとてもよかったです。
個人的にホワイトリリィで好きなEDは中人、千晴ですね。


ピュアEDは共学化に一歩及ばず、離れ離れになりますが、二人の関係性は変わらず続いていく。未来のあるEDです。ホワイトリリィに比べると糖度は下がる印象ですが、健全で爽やかな終わりで口当たりがいいなと。
ピュアEDは断然、政宗EDが一番素敵ですね!政宗に関してはこっちの方が糖度高いすらある。光属性力が強い。


スキャンダルEDは一番BADエンドな終わり方です。互いに恋人関係になりますが、決して想いが交わることはなく、平行線のまま壊れていく印象ですね。個人的にこのスキャンダルEDが結構ツボでして。離別、死別系BADじゃなく、互いに形としては結ばれている、しかし絶対交わらない絶妙に苦しい関係性が後味悪くて最高でしたね!!両想いなのに攻略対象もヒロインもどちらも決して救われないバランスが素晴らしいなと。
スキャンダルEDで好きなのは一角、夢慈ですね!特に夢慈先生のスキャンダルお気に入りです!


ブラックリリィEDはいわゆるメリバ系EDです。スキャンダルと違って想いは通じ合っているので、幸せですよ。歪な愛の形になってしまいますが、想いあう心は純愛です。二人が幸せならそれでいい。メリバ大好きおじさんなのでブラックリリィEDはわりとどれも一番好きなんですよね。
しいて一番をあげるなら、千晴、もしくは夢慈あたりが分かりやすく共に壊れてて好きです。



システム/サウンド/グラフィック

システム

プレイ環境が快適過ぎる、いつもの素晴らしいTAKUYOさんで大満足ですね。オートクイックセーブほんと便利で大好きです。選択肢ジャンプもロードの早い事早い事。しいていうならクリア後のおまけ要素がないのが凄く凄く寂しいので、FD早く出してください。後日談に飢えててしんどいです。


サウンド

主題歌のアレンジをBGMで使うの好きなオタク~~~!!!!ここぞって時に、OPやEDのインストが流れるのって王道ですがやはりテンション上がっちゃいますよね。OPのピアノアレンジである「秘密の楽園」がほんと好きで感想書く際のBGMにしていました。あと何気に「秘事の迷路」や「這い寄る孤独」とかの不穏なBGM好きだったりしますね。
ED曲がジャズロックな曲調で驚きましたね。おしゃれかっこよくって曲として好きなんですが、OPもEDもどちらかというと白百合というよりは黒百合の印象を持つ曲に感じたので、ホワイトリリィやピュアを攻略した際にEDが流れ出すと雰囲気がガラリと変わるなぁと思いました。


グラフィック

スチルがバストアップがやや多めに感じましたが、それ以外は特に気になる事もなく。一角の落書きで埋まっていくスチルとか好きでした。全体的にパステル調の色合いで綺麗で可愛いですよね。個人的に立ち絵の表情がこまめに変わってたのが良ポイントでしたね!笑深ちゃんの台詞中でも、笑深ちゃんの言葉を受けて驚いたり、赤面したりとコロコロ変わってて、ついついメッセージボックスに集中しがちなんですが、今作は立ち絵も一緒に楽しめた印象です。



シナリオ

光と闇、白と黒。両方の側面を楽しめるのが今作の売りですね。白百合√は従来の乙女ゲームらしい爽やかで懐かしさすら感じる、正統派王道純愛。変わり種が増えていく昨今の乙女ゲームの中で、こうした白百合ED系の王道っぷりは逆にありがたみがあるというか。「乙女ゲームをしているなぁ」と懐かしい気持ちにさせてくれるのでとてもよかったですね。個人的には闇のTAKUYOさんのファンなんですが、白百合√があることによって、清涼剤になっているので、癖が強すぎなく、色んな人が手に取りやすい作品になっているのではと思いましたね。
対して人の脆くて弱い部分を突くような描写が多い黒百合√。こちらが個人的には性癖の塊でして。触れられたくない根底にある柔らかい部分。人間が誰しも持っているであろう、心の影に触れて共鳴しあっていく様子って、見ていてたまらなくなるというか。TAKUYOさんの脆い部分で繋がりあっていく関係性の描き方がとにかく大好きな人間としては、今作の黒百合√も非常に素晴らしいものでした。色んな関係性の末に楽園に閉じ込められるので、檻ガール的にも刺さるのではないでしょうかね。
シリアスとコメディのバランスもよく、ヒロインの笑深ちゃんにも癖があまりないので、新規でもプレイのしやすい作品という印象です。ただ攻略対象は結構変わり種が多い気がします。「二面性がある」「なにを考えているのか分からない」「謎めいた」「ミステリアスな」こうした属性を持つキャラが、一人、二人、三人と沢山いるのってなんとなく珍しい気がしますね。胡散臭い男が好みの男なんですが、今作はそういったキャラが沢山いすぎて、どいつも好みすぎて推しが決めれない!!!!って現象に陥っていました。持っている属性は近しいのにキャラ被りしてないところが凄いですよね。ヒロイン含めどのキャラも孤独な生い立ち故に心に闇を孕んでいる子達ですが、それぞれ"孤独"への向き合い方が違うところが面白かったです。周回すればするほど印象が変わりそうなシーンもありそうなのでまた再プレイしたいですね。乙女ゲーとして単純にときめいて萌えることも出来るし、何周も繰り返して解釈をかみしめる楽しみ方も出来る。本当にバランスがいい、面白い作品でした。



キャラについて


妃乃笑深

本作ヒロイン。癖がなく前向きに頑張る優しい"いい子"。しかし"いい子"でいなくてはならない枷ゆえか、崩れるときは脆く途端に後ろ向きになっていく不安定さが人間らしくて愛らしいなと感じる子でしたね。孤独の怖さを知っていて、居場所を求める本心がいたいげで可愛いというか。彼女によって救う心もあれば、彼女によって落ちる心もある。白と黒、どちらにも染まれるところが、優秀なヒロインだなと。笑深ちゃん大好きです。



皇千晴

絶対的な「キング」にして圧倒的に「王子様」。笑深ちゃん大好き大好き大好き~~!が溢れかえっている、一途で可愛い印象が強い。冷酷な部分を時折忘れそうになるが、夢慈√とかいくと「あ、皇や…」って思い知らされる。でもそれも結局は孤独な生い立ちと歪んだ教育によるものなので、やっぱり沢山幸せになりな~~!!って気持ちになりますね。笑深ちゃんの一挙一動に一喜一憂している千晴が本当に愛しいのでずっと見ていたいです。



荒城政宗

彼だけは孤独とは違う生い立ちですよね。雁字搦めの生い立ちには変わりありませんが。それゆえか本作唯一の良心というか、精神的にしっかりしている印象なので光属性だなぁと感じます。文句なしにかっこいい、説得力のある俺様ですよね。過酷な環境の中、それでもめげずに前を向く笑深ちゃんに心惹かれ、しかし強いと感じた彼女が孤独に怯えるか弱い少女だと気付いた瞬間「護ってやらなくては」ってスイッチが入るあたりめちゃくちゃ男前ですよね。しかしそれ故に壊れたときの凶暴性というか。精神がきっちりしている印象が強いがゆえ、一番壊れたときに危険なのは彼だなと感じましたね。



仙僧供夢慈

闇で輝く男。性癖の塊√その②。黒百合√の設定の輝きっぷりが素敵で最高に好き。偽物の王子様の唯一の味方が偽物のお姫様。この関係性に10000憶点捧げたい。惹かれてしまいそうになるから、嫌われようと立ち回るのほんと不器用で愛おしいのでやめてほしい。根の優しさが滲みでてる。恋とは承認欲求と自己肯定を満たすもの。スキャンダルEDのあさましさが逆に愛おしくって1000000憶点捧げたい。でも白百合√の幼げに「うん」って頷く瞬間が尊いので手放しに幸せにもなって欲しい。



八十八騎一角

神聖で高潔で美しいユニコーン様。性癖の塊√その①。個別√が終始不安定で不穏なのがまぁしんどいしんどい最高。互いの存在が”悪影響”であり、傍にいれば傷つけあうことになるのに、それでも傍にいたい。お互いが"居場所"であり”価値”である。かずえみは圧倒的に清廉潔白で美しいカップルすぎて尊いです。それはそうと他ルートだと一角はずっと面白いキャラなので見ていて飽きないというか可愛いですよね。「ユニコーン」って返事に誰も突っ込まないのめっちゃ好きです。



紙袋中人

面倒くさいズルい男。性癖の塊√その③。色んな意味でズルすぎていい加減にしてほしい。今年一番萌えさせられた気がする。個別√は全編に置いて全て反則級によかった。悔しいが中えみが一番飢えてる。白百合がひたすらときめきの嵐だったゆえに、黒百合√が割とダメージをおったんだけど、周回するとじわじわときめきに変わりだしてるのでやはりズルい。個別もさることながら他ルートでもずっと笑かしてくるはときめかすはでやっぱりいい加減にしてほしい。



最後に

今年最後にめちゃくちゃ性癖にささる√ばかりの作品に出会えてすっごく嬉しかったですね!この感想を書いてる最中にたまらなくなり、追いひめひびAWBしてしまったほどです。後日談に飢えまくってるので、なにかしらの展開をしてほしい。あとグッズも欲しいので、TAKUYOさんどうかお願いします。アクスタとかだして。全体的にどこをとってもバランスがいい作品だと思うので色んな人に手に取って貰いたいですね!!最高でした!ありがとう!ひめひびAWBちゃん!!!



推しランク

中人≧夢慈=一角>千晴=政宗


中人を最推しというのが悔しい。でもほぼ皆僅差です。正直全員大好き。箱推しといって過言ではない。けど一番後日談を欲しているのが中えみなので、中人が最推しなのかも。でもCPの関係性的には夢えみやかずえみが最高に好きです。でもちはえみも政えみもめちゃくちゃ好きなので、やっぱり皆愛してる!!って感じですね!!!!


おすすめ攻略順


千晴→夢慈→一角→中人→政宗


キャラ背景の関係性でいうと千晴→夢慈、中人→政宗の順番の方が分かりやすいかなと。一角は真ん中で。ただ政宗は圧倒的に光要素が強いので、闇系をお求めの方は政宗最後にすると少し物足りないかも。黒百合√をお求めの方は一角、中人、夢慈が割と重めなのでそこら辺を終盤にするのもいいかもしれません。また白百合√的には千晴が一番収まりがいい終わり方をしてるので、千晴を最後にまわすと後味いいやも。今回はキャラの関係性でこの順番をおすすめしときます。