(ぬ)乙女ゲーム感想保管庫。

乙女ゲームの感想日記。

BELIEVER!個別感想





神代海

宿命の為に生きる”熱血騎士”
わんぱくであり、適度に情熱的、少年の心を忘れていないという、ヒーロー的キャラクター。 愛情も友情も常に一途で相手を裏切ることはない。思ったら、すぐ行動。裏表がなく駆け引きをしない。真っ直ぐな分、思考回路が単純。 幼い頃から神子を守ることが使命だと言われ、育ってきた。その為、他の守護者よりも神子を守るということを重く受けとめている。



THE王道少年漫画主人公!って感じで、明るく快活。とにかくまっすぐな性格をしている海くん。ヒロイン、みあちゃんとは高校から知り合った同級生になります。幼い頃より、父親から絵本の代わりに異世界の伝承を読み聞かされていたため、守護者と神子という関係に強い憧れを持っています。お姫様を護る英雄といった印象で幼心についたのでしょうね。作中海くんは何度も一途にみあちゃんを護る!っていってくれるので見ていて気持ちいいくらい。純粋にまっすぐでいい子です。全く癖のない王道なキャラをしているので、恋愛面も王道らしい初々しい可愛らしいものばかりでしたね。手を繋いでドキッとしたり、背中合わせで一夜を過ごしたり。全体的に温かい気持ちになりながら見守る恋愛イベントばかりでしたが、そうした何気ない触れ合いがちゃんと段々、安心感、信頼に繋がっていく感じなので嫌いじゃないです。
そんな海くん√の要の軸というのが海くんが使用する愛武器「フリディアード」。
個別序盤早々から分かりますが、この剣は斬れば斬るほど血を求めて、使用者の意識を惑わせてくる呪いの剣です。呪いの剣だと知らずに使用し続けてしまう事で、血に飢えるもう一人の自身に囚われていくことに。純粋にみあちゃんを護りたい一途な想いと、みあちゃんを傷つけたい血に飢えた想いとの葛藤がこの√のメインです。呪いの妖刀ということで、まぁ話の流れも基本的にひねりなく王道なんですが、個人的にこういうメインヒーロ―、センターポジションのキャラが周囲の仲間に責めたてられ、葛藤するシチュは好きなのでよかったですね。主人公は周囲に叩かれてこそだと思います。どんなに周りから言われようと、海くんの事を信じると寄り添ってあげるみあちゃんに救われていく感じもわかりやすくていいですしね。
全体的に突っ走っていく勢いのいい作品なので、最終章にカタルシスとか全くないんですが中盤の思い悩み乗り越えていくシーンは楽しかったです!海くん、とても気持ちのいいキャラでよかったですね!


勅使河原錬

運命に抗う孤高の銃皇帝(カイザー)
インテリだが、真面目一辺倒でなく、エロさも持ち合わせている。もちろん学年トップの学力。 理論的に行動しているが、傍から見ていると考えていることがよくわからない。 普段はクールで、気を許すまでは上からな態度で接するが、気を許した相手には、たまらなく優しい笑顔を見せる。


成績優秀で運動神経もよく、才色兼備。高圧的な態度と不遜な物言いから一見怖い印象を与えるが、そのカリスマ性に惹かれる隠れファンが多い。所謂、S系カリスマ俺様キャラですね。この作品、ゲームスタート時点で攻略対象の9割が顔見知り+デフォ惚れという大味な設定なんですが、一応その中でいえば唯一、ゲームスタート時点でみあちゃんと初対面かつデフォ惚れでないキャラです。なので、一応個別序盤は不遜な態度を取る勅使河原先輩と言いあいになったりと少しだけ喧嘩ップル要素、というかまぁ所謂「おもしれぇ女」要素があります。まぁ本当に序盤も序盤なんですが。そう、この√とにかく展開がはやいです。作品全体そもそも勢いが凄い作品ですが、この√はそこら辺顕著に感じた。というより恋愛メインでシナリオにそこまで趣きおいてなかった印象ですね。恋愛メインといえど「恋愛過程」がメインではなく、糖度的な意味合いです。恋愛過程においてはびっくりするくらいすぐにお互いがかけがえのない存在になります。これなら最初からデフォ惚れですって言われた方がまだ説得力あるってくらいには、初対面+おもしれぇ女要素必要なかったんじゃないかなって感じますね。いやまぁ惚れた理由はわかるんですよ。錬先輩は幼少のトラウマから武器がつかえません。その事を隠して敵の城まで乗り込んだが故に、みあちゃん共々ピンチに陥るのですが、そこでみあちゃんに身体を張って助けられるんですよね。自身の不甲斐なさと後悔、そしてそこから今度こそ護ってみせるという想いと、トラウマ克服する勇気を与えてくれた存在。そんでもっておもしれぇ女要素。これらの要素が加わったことで惚れたのは理解できますし。みあちゃんも数時間監禁されるという不安の中、自分のせいで錬先輩は他の仲間と揉めて責められてるかもしれないという罪悪感。色々なストレスが重なったところに助けに来てくれたのが錬先輩なら、惚れちゃうのかなって。互いに惚れた理由は納得いくんですがこれを20分くらいで捌くところがこの作品の凄いところだなって思うんですよね。こういうところ、嫌いじゃない。むしろ好きだぜビリーバーくん。
まぁそんな感じで恋愛過程はとんでますが、恋愛シチュ的には糖度が高めというかきゅんとできるやり取りも多いかなと。公式の説明で「エロさも持ち合わせてる」とかいう面白い紹介もされていましたが、無駄にいやらしい感じの事いうわけじゃなく、どちらかというと少しだけ強引に口説いてくるって感じなので、個人的には不快感もなくみれてよかったかなと。S系俺様な態度とられても、この人根底はメンタル弱めの繊細な人なので可愛げあっていいですよね。メンタル繊細な俺様は大好きです。告白のシーンとかも乙女ゲームというか、こう、少女漫画らしくっていいんじゃないかなと。ただまぁ全くこのビリーバーという作品でやる必要のないシチュだったので、あの告白がラストでいいのかと思いましたが。そういうのもシナリオ中身が薄い印象になってるんですよね。
あとエッフェナート様がCV.子安で時を止めた時はさすがに笑いました。この作品って2015年くらいに発売したと思うんですが、丁度同じ年にジョジョ3部アニメしてませんでしたかね。なんとなくんふふふってなってしまいました。
まぁそんな感じで色んな意味で楽しい√でしたね!

舞川臣

最強の男(ベルセルク)
主人公の幼馴染。主人公の両親が亡くなってからは、主人公と一緒に暮らしている。 主人公第一主義で、彼女に害をなそうとする人間には厳しく当たる。 見た目は可愛いが、とにかく強い。 外見とは反対に性格は男らしく、一本芯が通っている。 女の子がしてもらった嬉しい細やかな気配りをすることが出来る。 パンケーキとマカロンをこよなく愛している。


みあちゃんとは幼い頃からの幼馴染で、みあちゃんの両親が亡くなって以降は、舞川家に引き取られて一緒に暮らしています。その為、攻略対象の中では一番みあちゃんと距離が近く、「みあちゃん」自身を護ろうという意思がとても強いです。その過保護っぷりは海くん√で顕著に表れていましたね。過保護系幼馴染枠は個人的に苦手な枠なのでプレイ前は不安でしたが、個別√の全体テーマは好きなものでよかったですね。
臣くん√のテーマはずばり"復讐系RPG"です。
舞川家は代々異世界と現代を繋ぐ扉の管理をになっている家系なんですが、ゲーム開始時点ですでに臣くんの両親は数日前に失踪して行方不明ということになっています。異世界に続く扉付近で血痕と父親のペンダントチェーンが落ちているのを発見したことから、両親は異世界に連れていかれたのだと予想され、自分達も異世界に向かうのですが、そこで見たものは無残な両親の死体。早々に肉親が殺されたところから物語が始まります。まさに復讐系主人公らしい始まりといった感じで、ここからは復讐心で我を忘れてしまう自身と、そのせいで本当に護りたい存在を見失ってしまう苦悩、葛藤などがメインで描かれる王道シナリオです。復讐による哀しみの連鎖とか、立場が違えばそれだけ皆それぞれが持つ正義があるとか、こういう題材自体はとても好きなので、風呂敷広げずキュッッッと物語をまとめてシナリオ薄味になりがちな今作ですが、読んでいて好きだなぁという文章とか結構あってよかったですね。


「それぞれ自分の正義を貫く為に戦っていて、立つ場所が違えば、正義の意味も違ってくる」
「人を恨む気持ちが生まれる瞬間を避けられなかったとしても、どこかで許すことを覚えなくちゃいけない」
「許すことはとても難しいけど、それが人として生きていく為に大切な事」


王道ですが、こういうのとても好きなんですよ。片方の意見を推し通すような正悪の主張をはっきりするのではなく、それぞれの正義をちゃんと理解できる構図になってる話。安っぽく薄味だろうが、こういう部分は好きなところでしたね。まぁそこら辺を終盤チート武器無双して一気にバランスブレイクさせるところがこの作品の残念可愛いところなんですが。この√、個人的に題材が好きですし、基本一度も現代に帰らずに異世界で行動するので、たとえ三日くらいしか経過してなかろうと、冒険をしている感じもあって全体的に好きなんですが。
最後の最後に魔導書とかいうチート武器でひたすら無双して元々あまりない情緒がカスも残さず消え去るところが凄い。魔王戦にいたってはもはやギャグで面白かったです。開始早々10秒で仲間が死んだときはさすがに笑いました。こういう忙しい人の為のRPG感、嫌いじゃない。
あとこの感想を書くときに、煽り文句の「最強の男(ベルセルク)」っての知ったんですが、可愛い見た目に反していかつい武器を使ってるっていう以外特に「最強」要素ないので、謎二つ名で可哀想です。まぁそんな事をいえば錬先輩の「運命に抗う孤高の銃皇帝(カイザー)」も抗ってるのではなく逃げてただけ説あるんですが。運命じゃなくトラウマ(過去)には抗ってたね。
まぁそんな感じで最後のチート無双以外は当社比的にも面白かった√だったなと!
あと天涯孤独同士の幼馴染二人が二人だけで寄り添いあい生きてくの共依存ずぶずぶ感あって構図だけみると好みです。


高梨響

姿なき声を聴く一途射手(スナイパー)
見た目は草食、中身は肉食…だが、女性になれておらず、非常にシャイ。 他の守護者よりも年下ながら、真面目でしっかり者。 心の中には熱いものを持っているが、それを表に出すことはない。クールな方が大人っぽく見えると思っている節がある。 主人公に男として認めてもらいたいが、どうすれば良いのかわからず、戸惑っている。


『見た目は草食、中身は肉食…だが、女性になれておらず、非常にシャイ』っていう公式の紹介文が、まず面白くって好きですね。ロールキャベツ男子なのかそうでないのか。他ルートでみていた印象としては非常に素直で、自身の意見をちゃんと言えるしっかりした子という印象です。今作唯一の歳下、後輩枠なので周りから可愛がられてたり、少し天然要素があるので、ふわふわ系の可愛らしい印象も持ちますが、恋愛面でちゃっかりしているあたり「中身は肉食…」の部分なんでしょうね。まぁその他にも肉食要素はありましたが。錬√で危惧していた"いかにも"な台詞連発するシチュ、響君√で沢山ありましたね。艶っぽく迫られるシーン多かったです。スチルも密着度高めで、全体的に糖度が高かった気がします。
√全体のシナリオでいえば、海くんとなんとなく似ている部分が多かったですね。「手を繋ぐ」がポイントになっていたり、四天王のバックグラウンドだったり、近しい点が多かったです。海くんがどちらかと言えば「信頼」がテーマなら、響くんは「仲間」というワードが意識されていた気もします。海くんがメインヒーロ―なら、響くんはいわゆるアンチヒーロー的な立ち位置というか。とはいえどちらも似ているので、プレイ順的にはこの二人は出来るだけ離してプレイするほうがいい気がしましたね。しかし似たシチュに置いて、海くんはあんなに責められたのに、響くんの方は割と信頼を得れていたあたり人徳なのか、役得なのか。みあちゃんセコムの臣くんも海くんほど突っかかることもなく、むしろ見せつけるがごとくいちゃつけてるあたり、響くんは強い。というかちゃっかりしている。しかしBADはNTRという。BADスチルの構図好きです。
弓の使いてなのに最後は弓を鈍器として使うあたり凄く好きです。やっぱ最後にゃ物理が最強なんやなぁ。


伊波遊

哀しきさだめを背負う”愛の仕置人”(パニッシャー)
女の子を口説くのが趣味。 基本、女の子に優しいため、校内の女子達に人気がある。 普段はナンパな性格だが、本気になった女の子には一途。 また、やる時はやる為、仲間からの信頼は厚い。 自信家ではあるが、生い立ちが複雑なため、自分が自分を認めてやることで、精神的なバランスを保っている。


軟派で軽薄な態度が目立つが、基本的に人当たりがよく周りに気を配れる仲間想いな子という印象が強いです。他ルートだと誰かが揉めていればフォローに入りますし、責められる子がいれば庇ってあげたりと、優しい一面がよく見えるので、個別にくる前から個人的に好感度の高い子でした。その好感度は個別に来ても変わらず、むしろ上がる一方でしたね。明るく振る舞う裏に色んなものを一人で抱えて不器用に生きてる子大好きです!!
という事で圧倒的に最推しは遊先輩になりました。
彼、今作の中で唯一過去が複雑で可哀想な生い立ちなんですよ。出自が原因で幼い頃より両親から虐待をうけており、「いらない存在」として扱われてきました。守護者としての訓練時以外は"いないもの”として扱われ、唯一存在を認識してくれる守護者としての訓練の時は罵声を浴びるばかり。でも存在を完全に無視されるよりは、たとえそれが罵倒しかされない状況であっても、自身を見てくれていることに安心する。そんな環境の中で育ってきています。その為非常に自己価値を低く見ているところがあり、「守護者」としての自分にしか価値がないと思っています。守護者として役に立てなければ、自分は"いらないもの"になるという怯えを根底に抱えています。しかしそんな不安を周りに気取られることのないように、常に明るく振る舞う。いじらししすぎるその態度にプレイしていてときめかざる負えませんでしたね。彼はとある原因で持久力が通常の人間よりもなく、その為戦闘になると体力切れで足を引っ張ることが多くなります。「このままではいらない存在になってしまう」という不安を一人で抱える彼に寄り添い、存在価値を肯定してあげる事で心を救っていくカウンセリング恋愛がメインです。でも基本的には自己犠牲的で、自己価値が低い様子が見え隠れする部分は変わってないのが個人的にツボで、ハッピーED後でも、彼に寄り添ってめい一杯幸せにしてあげてほしいなと感じましたね。仲間の皆も凄く優しくって、遊先輩が一人で抱えていた事情が発覚したシーンでも、励ますような言葉かけが多く、読んでいてグッとくるシナリオでとてもよかったです。
またこの作品最終章は基本的に四天王を倒す→魔王(第一形態)を倒す→魔王(第二形態)をチートで倒すって流れが基本なんですが、この√だけは最後の方が少し違ってそれも面白い部分でした。ライバルキャラがいい味だしていましたね。
今作、そもそも遊先輩の顔面が好みで購入した作品だったので、その気になっていた遊先輩が好みドンピシャなキャラだったのがとてもよかったです!面白かった!